ザクセン級フリゲート

ザクセン級フリゲート

ザクセン級フリゲート（ドイツ語: Fregatte SACHSEN-Klasse、英: Sachsen-class frigate）は、ドイツ海軍に所属するフリゲート艦の一級です。この艦級は公称艦型として124型（Klasse 124）としても知られています。特にこの艦は、防空に特化した設計となっており、その特徴からしばしば「ミニ・イージス艦」と呼ばれます。ザクセン級は先進的なNAAWS（NATO対空戦闘システム）を搭載しており、これにより現代の戦闘任務において高い防空能力を誇ります。

来歴

1980年代後半、NATO加盟国の海軍は共同でフリゲートの開発計画、NFR-90に着手しました。西ドイツ海軍も、この計画に参加し、ハンブルク級とリュッチェンス級の艦船を近代化する目的でした。当初は8隻の建造が予定されていましたが、各国の要望が異なり、計画は遅延しました。特に老朽化が進んでいたハンブルク級駆逐艦の更新には間に合わないと判断され、1987年にはブランデンブルク級フリゲートの建造が決定されました。この結果、NFR-90計画の建造数は8隻から4隻に減少しました。

その後、NFR-90の計画が次々と離脱国が現れ、1990年には正式にキャンセルが決定されました。しかし、その中でドイツ、オランダ、スペインの3カ国はTFC（Trilateral Frigate Cooperation）計画を結成し、このフリゲートの共同開発を進めることとなりました。1996年には、ドイツのブローム・ウント・フォス社などが建造を始めました。

設計

TFC計画の教訓から、ザクセン級は装備の共通化に重きを置きつつ、設計にはドイツ独自の要素が色濃く反映されています。船体は長船首楼型で、煙突はV字型に配置されています。内部構造では、モジュール方式やダブルスキン構造などを取り入れており、ステルス性の向上も図られています。また、将来的な拡張を見越した設計であり、270トンの増加にも対応できるように考慮されています。

機関

機関については、ディーゼルエンジンとガスタービンエンジンを組み合わせたCODAG配置を採用しており、最大出力は51,600馬力に設定されています。これにより、効率的な運転が可能となっており、艦艇の性能向上に寄与しています。

装備

ザクセン級の中心的な装備はC4ISR戦闘システムで、オランダのシグナール社製のSEWACO-FDが使用されています。これにより、戦術情報の処理やデータリンクによる情報共有が可能です。主なセンサーとしては、アクティブ・フェーズドアレイ[[レーダー]]であるAPARが搭載されており、ミサイルの誘導や目標の探知を行います。

本級の武器システムは、艦対空ミサイルとしてアメリカ製のSM-2ブロックIIIAおよびESSMを搭載し、強力な防空能力を確保しています。また、艦砲や対艦ミサイル、対潜兵器なども豊富に装備されており、多様な任務に対応可能です。

運用史

ザクセン級フリゲートは、2003年から2005年にかけて三隻が就役しました。しかし、4番艦のテューリンゲンは計画されましたが、建造には至りませんでした。運用当初は第1フリゲート戦隊に編入され、後に第2フリゲート戦隊に移行しました。これらの艦船は現在も多様なミッションに対応し続けています。

このように、ザクセン級フリゲートは先進的な装備と設計を兼ね備えた艦艇であり、現代戦における重要な存在となっています。

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