ザック・ブリットン

ザック・ブリットン：シンカーを武器にMLBを席巻した剛腕リリーバー

ザック・ブリットン（Zackary Grant Britton, 1987年12月22日 - ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス出身の元プロ野球選手。左投左打の投手として、主にMLBで活躍しました。愛称は「ブリット（Brit）」。

プロ入りとオリオールズ時代

2006年のMLBドラフトでボルチモア・オリオールズから3巡目（全体85位）で指名され、プロ入り。2010年にはベースボール・アメリカ誌の有望株ランキングでメジャー全体63位にランクインするなど、将来を嘱望されていました。

2011年4月3日のタンパベイ・レイズ戦でメジャーデビュー。6回を1失点に抑え、初登板を初勝利で飾る鮮烈なデビューを飾りました。その後も先発ローテーションの一角として活躍し、新人ながらチーム最多の11勝を記録しました。

2012年は肩の故障で出遅れましたが、シーズン終盤には好投を見せ、翌年の飛躍を予感させました。しかし、2013年は登板機会が減少し、メジャーに定着することはできませんでした。

リリーフ転向とクローザーとしての開花

2014年、ブリットンの野球人生を大きく変える転機が訪れます。リリーフに転向すると、その才能が一気に開花。シーズン途中からクローザーを任されると、71試合に登板して防御率1.65、37セーブという驚異的な成績を残しました。

2015年も安定した投球を続け、アメリカンリーグのオールスターに選出。防御率1.92、ア・リーグ3位の36セーブを記録し、与四球率・奪三振率でも自己最高の成績を収めました。

2016年は、ブリットンにとってキャリア最高のシーズンとなりました。防御率0.54、リーグ1位の47セーブ、そして史上4人目となるセーブ失敗なしでの40セーブ以上を達成。5月5日から8月22日にかけて43試合連続自責点なしというMLB記録も更新しました。サイ・ヤング賞の投票では4位に入り、救援投手としては最上位でした。

ヤンキース時代とその後

2018年7月、ニューヨーク・ヤンキースへトレード移籍。アロルディス・チャップマンに繋ぐセットアッパーとして活躍しました。

2019年は66試合に登板し、3勝1敗3セーブ、防御率1.91、チームトップの29ホールドという好成績を挙げました。

2021年は左肘の状態が悪く、トミー・ジョン手術を受けました。2022年は故障者リストでの期間が長く、シーズン終盤に復帰したものの、再び故障で離脱。オフにFAとなりました。

投球スタイル

ブリットンの最大の武器は、最速100mph（約160.9km/h）に達する鋭く落ちるシンキング・ファストボール。全投球の約9割を占め、ゴロを量産する投球スタイルが特徴です。2014年以降の被本塁打率が低く、グラウンドボールの割合が非常に高いことからも、その эффективностью が伺えます。

人物

2021年1月には、妻との間に第4子が誕生しています。兄のバック・ブリットンも元プロ野球選手で、オリオールズからドラフト指名を受けています。

ザック・ブリットンは、リリーフに転向してからその才能を開花させ、MLBを代表するクローザーとして一時代を築きました。その活躍は、多くのファンに記憶されることでしょう。

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