ザラエゲルセグ

ザラエゲルセグの歴史と変遷

ザラエゲルセグは、ハンガリー西部のザラ県に位置する県都であり、ザラ川のほとりに発展した都市です。その地理的な特徴から、オーストリアやスロベニアとの国境にも近く、首都ブダペストからは南西に約220km離れています。

この地域の歴史は古く、石器時代後期には既に人が定住していました。その後、ケルト人がこの地に住み着き、1247年には「エゲルスクグ」、1293年には「エゲルセグ」という名で歴史に初めて登場します。「ハンノキのある角」という意味を持つこの地名は、二つの川が合流する場所という地形を表していると考えられています。

1266年、ハンガリー王ベーラ4世によってこの土地はヴェスプレーム司教座に寄進され、教会の財産となりました。しかし、ヴェスプレームから遠く離れていたため、この地で徴収された税金は、しばしば地元の有力者であるケーケギ家の手に渡ってしまいました。14世紀には、エゲルセグは一帯で最も大きな都市へと成長し、1368年から1369年の短期間には王立都市にもなりました。その後、ハンガリー王シギスムンドによってカニザイ家に与えられ、1848年までカニザイ家の領地として支配されることになります。

1381年には石造りの教会が建てられ、1421年には「オッピドゥム」の地位を授与されました。これにより、住民は年一回の納税で済むようになり、自ら判事を選出する権利を得ました。人口は急速に増加し、16世紀にはザラ県の中心都市として重要な役割を担いました。

しかし、1530年代に入ると、周辺の領主による攻撃や、1526年のモハーチの戦いでのオスマン帝国の勝利後のハンガリー征服により、発展は一時的に停滞しました。1568年以降には要塞化され、城も築かれましたが、1570年のオスマン軍の攻撃では陥落を免れたものの、1616年の攻撃で城は大きな被害を受け、1664年には短期間占領されるという苦難も経験しました。住民は戦争だけでなく、黒死病や重税にも苦しめられました。

ザラエゲルセグはコミタトゥスの一端でありながら、議会が開催される場所であったことから、18世紀には首都となりました。県庁舎はバロック様式で建てられ、1760年代には大きな教会堂や兵舎も建てられました。しかし、一般住民が石造りの家に住めるようになったのは1826年以降であり、それまでは度重なる火災に見舞われていました。

19世紀まで、町で暮らす少数の職人や商人は、町の司教に税金を納めていました。住民の大部分はカトリック教徒でしたが、1割ほどユダヤ人も暮らしており、彼らは貿易の恩恵を受けることはありませんでした。その結果、行政上の重要性にもかかわらず、経済的・文化的にはあまり重要な都市ではありませんでした。3500人の住民が暮らしていても小学校はわずか2校しかなく、文化の中心は近隣のナジカニジャとコストヘイでした。

ザラエゲルセグは、1848年から1849年の革命や自由闘争では補助的な役割にとどまりました。1870年には町の地位を失い、単なる村に格下げされ、代わりにナジカニジャが県都となりました。しかし、1885年5月に再び町へと昇格し、1890年にはチャークトルニャ（現在のクロアチアの都市チャコヴェツ）との間に鉄道が開通しました。19世紀後半から1920年代にかけて、町は再び発展し、多くの建物が建設されました。

第二次世界大戦中には悲劇も起こり、ザラエゲルセグに住んでいた1221人のユダヤ人たちがアウシュヴィッツに送られました。1945年5月にはソ連軍によって解放されました。また、1956年のハンガリー動乱では、町は大きな役割を果たしました。10月26日に始まった革命では、地元の共産党議会が逃亡し、11月4日のソ連軍侵攻まで革命政府が議会を掌握しました。

近年の活動と姉妹都市

ザラエゲルセグは、1983年には世界オリエンテーリング選手権、2001年には中央ヨーロッパ情報オリンピック、2004年には欧州女子ハンドボール選手権予選ラウンド、2005年にはUEFA U-19女子選手権、そしてフェンシングヨーロッパ選手権を開催するなど、国際的なスポーツイベントの開催地としても知られています。

また、多くの姉妹都市を持ち、国際的な交流も盛んです。クラーゲンフルト（オーストリア）、ゼニツァ（ボスニア・ヘルツェゴビナ）、ドブリチ（ブルガリア）、ヴァラジュディン（クロアチア）、ヴァルカウス（フィンランド）、クゼルとマール（ドイツ）、ゴリツィア（イタリア）、クロスノ（ポーランド）、トゥルグ・ムレシュ（ルーマニア）、スルグト（ロシア）、レンダヴァ（スロベニア）、ヘルソン（ウクライナ）など、様々な国の都市と友好関係を築いています。

ザラエゲルセグは、歴史的な背景を持ちながらも、現代的な発展を遂げている魅力的な都市です。

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