ザ・スパイダースの大進撃

ザ・スパイダースの大進撃

1968年1月3日に日活によって劇場公開された本作は、人気グループサウンズ、ザ・スパイダースが主演を務めた映画の第2弾にあたる作品である。カラー、シネマスコープ形式で製作され、上映時間は82分。

作品解説

この作品の物語の骨子は、ザ・ビートルズ主演の映画『ヘルプ!4人はアイドル』（1965年公開）に強い影響を受けている。物語の運びには多くの類似点が見られるほか、場面転換の際には特徴的なシタールの音が効果的に使用されている。前作において一般的な市民として描かれたスパイダースのメンバーたちは、本作では人気絶頂のバンドとして登場し、彼ら自身の名義で主演を務めている点が大きな違いとなっている。

公開後、本作は1980年代にビデオソフトとしてリリースされた。さらに、2005年にはデジタルリマスター処理が施された上でDVD化が実現し、劇場予告編が特典映像として追加収録された。そして2014年には、TSUTAYAでのレンタル取り扱いが開始され、より多くの視聴者が作品に触れる機会が生まれた。

物語の概要

人気バンドとして活動するザ・スパイダースのメンバーたちは、アメリカでの公演を成功させ、意気揚々と日本へ帰国する。しかし、彼らのすぐ背後には、恐ろしい悪の女とその一味が忍び寄っていた。一味の狙いは、メンバーの堺が持つタンバリンに巧妙に隠された非常に価値のあるダイヤモンドと、田辺が携行しているカバンに収められた重要な設計図であった。これらの秘宝と設計図を巡り、スパイダースのメンバーたちの周囲では、突如として様々な不可解な出来事や危険が立て続けに発生する。

仕事のため鹿児島へと移動する彼らであったが、事態はさらに混迷を深め、騒動はエスカレートしていく。悪の一味からの執拗な追跡や妨害を受けながらも、メンバーたちは危機を乗り越えようとする。そして東京へ戻った後、ついにスパイダースと悪の一味の間で直接対決が繰り広げられる。激しい格闘の末、スパイダースの活躍によって悪の一味は追い詰められ、最終的には警察によって全員が逮捕されることとなる。

スタッフ

本作の製作には以下のスタッフが携わった。

企画：笹井英男
脚本：伊奈洸、倉本聰
監督：中平康
撮影：北泉成
美術：松井俊幸
音楽：かまやつひろし、脇野光司
録音：片桐登司美
照明：土田守保
編集：辻井正則
スチル：斎藤誠一

出演者

主要キャストは以下の通り。

田辺昭知：田辺昭知（ザ・スパイダース）
堺正章：堺正章（ザ・スパイダース）
井上順：井上順（ザ・スパイダース）
かまやつひろし：かまやつひろし（ザ・スパイダース）
加藤充：加藤充（ザ・スパイダース）
大野克夫：大野克夫（ザ・スパイダース）
井上孝之：井上孝之（ザ・スパイダース）
緒方：波多野憲
緒方ゆり子：和泉雅子
矢代美代子：真理アンヌ
峰岸：植村謙一郎
サングラスの男：草薙幸二郎
ソフトの男：柳瀬志郎
税関吏：二木草之助、田中滋
刑事部長：長弘
刑事：鴨田喜由、小柴隆
お婆さん：堺駿二
若い娘：親桜子
老人：三樹冨雄
バンドボーイ：原田征男
男：吉田武史、田反彦
ボーイ：押見史郎、村井健二
スチュワーデス：渡辺智子
サイレンサーの男：東郷秀美
* 運転する男：矢藤昌宏、潮田孝

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