ザ・ランチャーズ

ザ・ランチャーズの音楽活動の歴史

ザ・ランチャーズ（The Launchers）は、1962年に誕生した日本のグループ・サウンズバンドで、1967年にシングル「真冬の帰り道」でデビューを果たしました。バンドは1971年に解散しましたが、多くのファンに支持され続けています。

結成の背景

ザ・ランチャーズの結成は、加山雄三主演の「若大将シリーズ」が始まる時期にさかのぼります。当時、藤本真澄プロデューサーが加山に「会社の人間で演奏できるやつを集めてバンドをやれ。映画でも使うぞ」と指示したことがきっかけです。この指示に従い、加山はメンバーを集め、1962年にザ・ランチャーズが結成されました。当初のメンバーには加山雄三、二瓶正也、津田彰、佐竹弘行、三木敏彦、速水洸の6人がいました。

バンド名の「ランチャーズ」は、「進水する」という意味を持ち、活動のスタートを象徴しています。このようにして始まったこのバンドは、東京の東宝の俳優たちを中心にメンバーが組まれましたが、それぞれの本業が忙しくなるにつれ、活動は次第に難しくなり、一時的に活動を停止することとなりました。

再結成と音楽活動

1964年、加山雄三は従弟の喜多嶋瑛、喜多嶋修、大矢茂の4人で第二期ザ・ランチャーズを再結成しました。この時期、バンドはザ・ベンチャーズとの共演を果たし、彼らとの長年の交流が始まります。その後、多くの活動を経た結果、1967年に喜多嶋瑛、喜多嶋修、大矢茂、渡辺有三の4人で第三期ザ・ランチャーズとして再始動し、11月には「真冬の帰り道」をリリースし、デビューを果たしました。

バンドの個性と課題

デビュー当初、ランチャーズは全員が慶應義塾大学の生徒であることを強調し、育ちの良さを売りにしていました。しかしながら、メンバーの個性があまり際立っておらず、加えて明確なサウンドを打ち出すことができなかったため、加山雄三のバックバンドというイメージが強くついて回りました。このことが影響し、デビュー曲以降は大きなヒットを収めることができなかったのです。

1971年にはドラムスのメンバーが喜多嶋瑛から河手政次に交代しましたが、権利上のトラブルやメンバー間の意見の不一致も影響し、同年春にはザ・ランチャーズは解散する運命を辿りました。

解散後の影響と復活

ザ・ランチャーズの解散後もその名は消えることなく、1994年には「加山雄三&ハイパーランチャーズ」として新たにメンバーが集められ活動が再開されました。このように、ランチャーズは活動を経て、音楽界において先駆的な存在として位置付けられました。

ディスコグラフィー

ザ・ランチャーズは、その短い活動期間中にいくつかのシングルとアルバムをリリースしました。主なシングルには「真冬の帰り道」（1967年）や「教えておくれ」（1968年）、アルバムには「フリー・アソシエイション」（1968年）や「OASY王国」（1969年）などがあります。

出演作品

音楽活動に加え、ザ・ランチャーズは映画にも出演しています。「歌う若大将」（1966年）や「ゴー!ゴー!若大将」（1967年）、最後には「若大将対青大将」（1971年）に出ており、特に大矢茂はこの映画で二代目の若大将役として主演するなど、映像業界にも貢献しました。

このように、ザ・ランチャーズは日本の音楽史において特異な存在感を持ち、多くのファンに愛されたバンドとして記憶されています。

もう一度検索