シェアードビリーフ

シェアードビリーフ：アメリカンヒーローの短い生涯

2011年2月15日生まれのシェアードビリーフは、競走馬としてアメリカ競馬史にその名を刻んだサラブレッドである。セリ市場を経由せず、スポーツ中継ラジオ司会者のジム・ローム（Jungle Racing LLC名義）によって私的に購入された彼は、殿堂入りトレーナーであるジェリー・ホーレンドルファーの指導の下、競走馬としてのキャリアをスタートさせた。

2歳シーズン（2013年）のデビューは、ゴールデンゲート競馬場。初戦から圧勝を重ね、3戦目のキャッシュコールフューチュリティステークスでは5馬身3/4差という圧倒的な強さでG1競走を制覇した。2歳時の3戦で2着馬につけた着差は合計20馬身半に及び、その圧倒的な能力の高さを示した。この活躍により、エクリプス賞最優秀2歳牡馬に選出され、ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル勝ち馬を抑えての栄冠となった。

3歳シーズン（2014年）は、右前足の蹄の膿瘍により、当初予定されていたロバートB.ルイスステークスを回避。アメリカクラシック三冠競走への挑戦は叶わなかったものの、5月26日のアローワンス競走で復帰。復帰2戦目のロスアラミトスダービーではトラックレコードを樹立する圧勝劇を見せた。古馬との初対戦となったパシフィッククラシックでも快勝を収め、その後もオーサムアゲインステークスを制覇。デビューから7連勝という驚異的な戦績を築き上げた。

そして迎えたブリーダーズカップ・クラシック。同期の二冠馬カリフォルニアクロームらを抑え、1番人気に推されたシェアードビリーフだったが、スタートで大きなアクシデントに見舞われる。スタート直後、隣の馬との接触により、大きく不利を被り、思うような位置取りが取れず、4着に敗れ、生涯初の黒星を喫した。このレースでは、シェアードビリーフへの不利を巡り、主催者側への批判が殺到した。サンタアニタ競馬場の裁決担当者は、不利を認めたものの、着順への影響はなかったと判断したものの、騎手であるマイク・スミスは、スタートでの不利がなければ勝利できたと主張した。

年内最終戦のマリブステークスでは、距離短縮というハンデを克服し、クビ差の接戦を制してG1競走4勝目を飾った。

4歳シーズン（2015年）は、サンアントニオ招待ステークスでカリフォルニアクロームを相手に1馬身1/2差で圧勝、続くサンタアニタハンデキャップでも勝利し、G1競走5勝目を達成した。しかし、チャールズタウンクラシックステークスでレース中に故障。右臀部の骨折が判明したものの、早期発見により、競走能力への影響は少ないと診断された。しかし、運命の悪戯はその後も続いた。2015年12月3日、朝の調教後、疝痛を発症し、緊急手術を受けたものの、残念ながら息を引き取った。

シェアードビリーフの競走生活は短く、わずか4歳で幕を閉じたものの、その輝かしい戦績は、多くの人々の記憶に刻まれた。彼のスピード、そして強さは、アメリカ競馬史に永遠に語り継がれるだろう。彼の短い生涯は、競走馬としての成功と、早すぎる別れというドラマチックな物語として、後世に語り継がれるに違いない。彼の名前は、優れた競走馬の代名詞として、いつまでも語り継がれるであろう。

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