シェナンゴ (護衛空母)

シェナンゴ (USS Chenango, CVE-28) の概要

「シェナンゴ」は、アメリカ海軍に属する護衛空母で、サンガモン級航空母艦の一つです。その艦名はニューヨーク州を流れるシェナンゴ川に因んでおり、同名の艦は二隻目にあたります。

艦歴

「シェナンゴ」は、もともと1938年にペンシルベニア州チェスターのサン造船所で民間船「エッソ・ニューオーリンズ」として起工され、1939年に進水しました。1941年にアメリカ海軍によって取得されると、艦隊給油艦から護衛空母へと改装が施されました。
艦はホノルルを基点に、大西洋やカリブ海、太平洋でタンカー任務に従事し、1942年のアルバ攻撃時には島港に停泊していましたが、翌月に改装のため予備役となります。

1942年 - 1943年

改装作業を経て、1942年9月にACV-28（補助空母）として再び就役し、「トーチ作戦」に参加しました。北アフリカへ向かう途中で、駆逐艦への給油作業を行った後にハリケーンの影響を受けましたが、修理を終えて太平洋に回航されました。

1943年にヌメアに到着後、ソロモン諸島での攻防において航空支援を行いました。特に、ガダルカナル島のヘンダーソン飛行場へ航空隊を派遣し、同年のコロンバンガラ島沖海戦でも重要な役割を果たします。

また、タラワの戦いにおいては、艦載機による攻撃支援を行い、敵潜水艦「伊21」を撃沈しました。
その後、新しい航空隊の編成に伴い、訓練空母としての任務を果たしながらガルヴァニック作戦に参加しました。

1944年 - 1945年

1944年1月にはマーシャル諸島、続いてフィリピンの戦いに参加し、空襲の護衛任務を担いました。特にレイテ島上陸作戦中には、敵機の攻撃を撃退し、空中戦の成果を上げました。

オーバーホールを終えた後、1945年の沖縄戦では、欺瞞上陸作戦や日本の航空基地への攻撃に従事しました。特にこの時期は神風特攻隊に遭遇し、一部の艦載機による奇襲にも対処しました。

終戦後

戦後、「シェナンゴ」は占領部隊の支援や連合軍捕虜の輸送任務を行いました。また、沖縄や真珠湾から帰還兵を輸送するマジック・カーペット作戦にも従事しました。1946年に予備役に移行し、1955年には護衛ヘリ空母に艦種変更、その後1959年に除籍され、1960年に売却されました。

「シェナンゴ」は戦功を評価され、海軍殊勲部隊章や11の従軍星章を受章しています。
この艦は、アメリカ海軍の歴史において重要な役割を果たした艦船として、長年にわたり多くの人々に記憶されています。

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