シェンジ・ナーヤカ朝

シェンジ・ナーヤカ朝の歴史

シェンジ・ナーヤカ朝は、16世紀から1649年にかけて南インドのタミル地方に存在したヒンドゥー王朝であり、その首都はシェンジ（ジンジー）にありました。この王朝はナーヤカの一つとして分類され、南インドの歴史において重要な役割を果たしました。

ナーヤカ一族の台頭

16世紀初頭、シェンジではナーヤカ一族が出現しました。この一族はヴィジャヤナガル王国に仕えており、その領土は1509年に登場したヴィジャヤナガル王国の王、クリシュナ・デーヴァ・ラーヤによって正式に認められました。ナーヤカ一族は同国において地方長官クラスにあたる大ナーヤカとして知られ、彼らの統治下でシェンジ城が築かれました。この城はヴィジャヤナガルの伝統を受け継ぎ、特に「カリヤーナ・マハル」という婚礼殿はその美しさと壮大さで広く知られています。

独立の動きと衰退

1565年、ヴィジャヤナガル王国はターリコータの戦いで敗北し、その結果ナーヤカ朝は独立の道を歩み始めました。この時期、シェンジ・ナーヤカ朝は事実上半独立の立場を取るようになりました。しかし、1614年に「最後の名君」と言われるヴェンカタ2世が亡くなると、王位を巡る内紛が発生します。これが1616年から1617年にかけて続き、ナーヤカ朝は衰退したヴィジャヤナガル王国から完全に独立することに成功しました。

しかし、ヴィジャヤナガル王国がビジャープル王国から攻撃を受け始めると、シェンジ・ナーヤカ朝もまたその攻撃の対象となりました。

滅亡の過程

1648年、ビジャープル王国によってシェンジが占拠され、1649年12月には最後の王が降伏し、シェンジ・ナーヤカ朝は歴史の幕を閉じました。この滅亡は、南インド地域における権力の変動を象徴するものでした。

その後の1700年代には、シェンジ城は南に押し出されたマラーター王国のラージャラームの拠点となり、1698年までムガル帝国との戦闘が続けられました。これらの歴史は、南インドにおける政治的動向や文化の形成に多大な影響を及ぼしました。

結論

シェンジ・ナーヤカ朝は、南インドの歴史の中で重要な王朝であり、その存在は地域の政治や文化に深く根付いていました。その成り立ちや存続、終焉は、ヴィジャヤナガル王国との関係や周辺諸国との戦闘を通じて、様々な形で後世に影響を与えました。歴史的な遺産として、シェンジの地には今もその痕跡を見ることができます。

もう一度検索