シソ類

シソ類（Lamiids）についての基本情報

シソ類は、APG植物分類体系に基づく被子植物の大きなクレードであり、約40,000から50,000種を含んでいます。この植物群は、全被子植物の約15%にあたります。シソ類の名称は、Bremerの研究（2002）で初めて提唱され、APG IIIの分類から正式に採用されています。シソ類は、キク目群の中の真正キク類に位置づけられ、その名はオドリコソウ属の「Lamium」に由来します。

概要と特徴

APG IV（2016）では、シソ類はキク類の中で真正キク類（Gentianidae）に分類され、姉妹群であるキキョウ類と関連しています。シソ類の特有の特徴としては、葉が対生すること、花被が子房の下に形成されること、また遅い合弁が見られる点が挙げられます。さらに、生活形は木本性が多く、三隙型の節や階紋穿孔の穿孔板（scalariform perforation plate）が見られることも特徴的です。

シソ類の植物は共通の祖先を持つと考えられていますが、クレード内の様々な種で形態の違いが見られるため、共有する形質については未解明な部分が多いです。特に、シソ類の内部構造は多様性に富んでおり、基盤的な系統関係や共通の派生系統が詳しくは解明されていません。

学名と分類

シソ類のクレードには、Cantinoら（2007）の研究に基づいてPhyloCodeが適用されており、二つの主要なクレードが定義されています。一つは「Garryidae」で、ガリア目やヒメオドリコソウが含まれています。もう一つの「Lamiidae」は、主にヒメオドリコソウ、タバコ、リンドウ目を含む最小のクレードです。最近の研究では、Lamiidaeがシソ類を指す場合が多く、特に「core lamiids」という用語が使われています。

これら二つのクレードの中で、Garryidaeはより広範なグループを指し、Lamiidaeは特定の系統に焦点を当てた分類となっています。これらの分類は、APG IからIVにかけての進化を反映しています。

下位分類と系統関係

シソ類は、APG IVにおいて8つの目に分かれます。その中で、クロタキカズラ目、メッテニウサ目、ガリア目の3つは「basal lamiids」として位置づけられ、残りの5つは「core lamiids」と呼ばれます。これらは単系統であるが、その系統関係や分岐順序は解析によって異なる可能性があります。

また、core lamiidsの系統的な関係や、basal lamiidsとの関係は多様であり、研究によって異なる結果が示されています。これによりシソ類の起源や進化の理解は進んでいますが、依然として多くの課題が残されています。

参考文献

シソ類について詳しく知りたい場合、様々な文献が存在します。APGの分類に関する資料や、それぞれのクレードに関する詳細な解析が行われた研究が多く発表されています。たとえば、AlawfiやZhangらの研究は、シソ類の系統関係を探求する上で重要な情報源とされています。これらの資料は、植物学の理解を深める上で役立つでしょう。

結論

シソ類は被子植物において多様性に富んだ重要なグループであり、さまざまな形態学的特性や進化的関係が存在します。今後の研究により、その繁栄と多様性の背景に迫ることが期待されます。

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