シボレー・インパラ

シボレー・インパラ：アメリカを代表する大型乗用車の歴史と魅力

シボレー・インパラは、アメリカの自動車メーカー、ゼネラルモーターズ（GM）がシボレーブランドで製造・販売していた大型乗用車です。1958年の初代モデル登場以来、そのスタイリッシュなデザインと高い性能で人気を博し、アメリカ市場でベストセラーとなりました。また、1958年～1964年モデルは、ローライダーと呼ばれるカスタムカーのベースとしても、日本やアメリカで高い人気を誇ります。

インパラの歴史

初代（1958年）

1958年、シボレーの最上級グレードであったベルエアに、「インパラ・スポーツ・パッケージ」というスペシャルパッケージが設定されました。これは、クライスラーのプリムス・フューリーに対抗するスペシャリティ2ドアハードトップとして企画されたと考えられています。ベルエアとの主な違いは、3連テールランプや、ルーフ後端のエアアウトレット、クォーターパネルのエアダクト風モールなどでした。この年、シボレーのフルサイズモデルのラインナップが大幅に変更され、インパラはベルエアよりも上位のグレードとして位置づけられました。

2代目（1959年～1960年）

1959年からは、2ドアモデルに加えて4ドアハードトップと4ドアセダンがラインナップに加わり、インパラはシボレーの最上級フルサイズモデルとなりました。この世代のインパラは、1950年代の流行であったテールフィン・スタイルが最も顕著に表れており、中央で2分割された翼のようなトランクが特徴的です。また、派生車種であるエルカミーノも、このデザインを受け継いでいます。

3代目（1961年～1964年）

3代目インパラは、2代目のデザインをより洗練させたスタイルとなりました。この世代では、高性能モデルであるインパラSS（スーパースポーツ）が登場し、大きな人気を集めました。インパラSSには、大排気量のV8エンジンや強化されたサスペンション、ブレーキなどが搭載され、ノーマルモデルとは一線を画す走行性能を発揮しました。

4代目（1965年～1970年）

1965年には、インパラをベースにしたより高級なモデル、カプリスが登場しました。しかし、インパラはその後も生産が続けられ、1958年から1966年までの間に1300万台以上が生産されました。1965年には年間100万台を売り上げるなど、記録的なセールスを達成しました。

5代目（1971年～1976年）

1970年代に入ると、アメリカの自動車市場は変化し、インパラのような大型車には逆風が吹くようになりました。オイルショックや排ガス規制などの影響を受け、インパラの販売台数は減少しました。しかし、1970年代もインパラはV8エンジンを搭載し、フルサイズのシボレーとして生産が続けられました。

6代目（1977年～1985年）

1977年、インパラはダウンサイジングされ、全長が短く、全高が高くなりました。新しいインパラは、小型化され、軽量化され、燃費も向上し、アメリカ車の新しいイメージを打ち出しました。このモデルは、1976年に販売台数を大幅に増加させ、再び国内販売台数1位の座を獲得しました。

7代目（1994年～1996年）

1994年、インパラSSとしてインパラの名が復活しました。カプリスの高性能バージョンとして位置づけられ、専用のチューニングが施されたV8エンジンや強化されたシャシーなどを搭載していました。ブラックのボディカラーが特徴的で、再び人気を集めましたが、1996年に生産終了となりました。

8代目（2000年～2005年）

2000年、シボレー・ルミナの後継として、再びインパラの名が復活しました。駆動方式はFFとなり、V6エンジンを搭載していました。2004年には、スーパーチャージャー付きのV6エンジンを搭載したインパラSSも登場しました。

9代目（2006年～2013年）

2006年モデルのインパラは、改良されたGMのWプラットフォームをベースにしています。2006年モデルで最も注目すべきニュースは、SSが初めて前輪駆動のシボレー車として、ジェネレーションIVのスモールブロックV8エンジンを搭載したことです。2012年モデルでは3.5Lと3.9Lエンジンが廃止され、新たにV6 3.6L VVT SIDIエンジンと6速ATが搭載されました。

10代目（2014年～2020年）

2014年モデルとして発表された10代目インパラは、ビュイック・ラクロスやキャデラック・XTSと共通のプラットフォームを採用しました。エクステリアは次世代のシボレーのデザイン言語を示したものとされ、インテリアはシボレーの特徴的なデュアル・コクピットデザインを踏襲しています。

車名の由来

インパラという名前は、ウシ科の動物であるインパラに由来しており、車名ロゴにも使用されました。インパラの車名は、1956年1月19日に開催されたゼネラルモーターズのイベントで公開された大型乗用車に初めて使用されました。

シボレー・インパラは、アメリカの自動車史を彩る名車として、今も多くの人々に愛されています。

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