シボレー・S-10

シボレー S-10

シボレー S-10は、アメリカ合衆国の自動車メーカーであるゼネラルモーターズ（GM）が、その主要ブランドであるシボレーから販売するミッドサイズまたはコンパクトサイズのピックアップトラックです。北米市場において、手頃なサイズのピックアップトラックとして広く受け入れられました。姉妹車としては、GMのGMCブランドからGMC・ソノマが登場したほか、いすゞ自動車との提携によりいすゞ・オンブレが供給された時期もあります。その役割は、2004年の生産終了時に、シボレー・コロラド、GMC・キャニオン、そしていすゞ・iシリーズといった後継モデルへと引き継がれました。

世代別の特徴

初代（1982年 - 1993年）

シボレー S-10の歴史は、1982年モデルイヤーに始まりました。このモデルは、それまでいすゞ自動車が製造し、シボレーブランドで販売されていたシボレー・LUVの実質的な後継車として開発されました。初代S-10の大きな特徴は、その比較的コンパクトなサイズでした。特にレギュラーキャブのショートベット仕様は、日本の車両区分における5ナンバーサイズに収まるほどであり、アメリカンピックアップトラックとしては非常に珍しい存在でした。1983年モデルイヤーには、このS-10をベースとしたSUVモデル、シボレー・S-10ブレイザーがラインアップに追加され、多様なニーズに応えました。

2代目（1994年 - 2004年）

1994年に登場した2代目S-10は、初代から若干大型化されました。この世代では、前世代で設定されていたディーゼルエンジン搭載モデルは廃止されました。また、ボディバリエーションが拡充され、従来のレギュラーキャブに加え、拡張キャブであるダブルキャブや、さらに広々としたクルーキャブ仕様も登場し、乗員数や荷室のニーズに合わせて選択肢が増えました。デザイン面では、フェイスリフトが実施された際に、当時のシボレーの大型トラックであるシボレー・C/Kや、ミニバンであるシボレー・アストロなどと共通性を持たせたフロントグリルデザイン、通称「シェビートラックマスク」が採用され、ブランドの統一性が図られました。1996年モデルから2000年モデルにかけては、いすゞ自動車に対して「いすゞ・オンブレ」としてOEM（相手先ブランドによる生産）供給が行われました。2代目は2004年モデルをもって生産を終了しました。

3代目（2012年 - 現在）

2代目S-10の生産終了からしばらくの期間を経て、2012年に新たな世代として3代目S-10が発表されました。この3代目は、いすゞ自動車のピックアップトラックであるいすゞ・D-MAXと姉妹車の関係にあります。発売以降、複数回の改良が加えられており、最初のマイナーチェンジは2016年7月に実施されました。その後も2020年に2度目のマイナーチェンジ、そして2024年には3度目のマイナーチェンジが行われるなど、継続的な改良が続けられています。

関連項目

シボレー・ブレイザー
GMC・サイクロン

もう一度検索