シモン・ロドリゲス

シモン・ロドリゲス（Simão Rodrigues, 1510年 - 1579年6月15日）は、16世紀ポルトガルにおける重要なカトリックの司祭、神学者、そして聖職者でした。彼はイエズス会の創立メンバーの一人として、その初期の発展に大きく貢献しました。

1532年、ロドリゲスはパリ大学在学中にイグナチオ・デ・ロヨラと出会いました。この出会いが彼の人生を大きく変えることになります。1534年8月15日、ロドリゲスはロヨラ、ディエゴ・ライネス、フランシスコ・ザビエル、ピエール・ファーヴル、アルフォンソ・サルメロン、ニコラス・ボバディリャと共にモンマルトルの丘に集まり、共同で誓願を立てました。この誓願がイエズス会設立の基礎となり、ロドリゲスも創立者の一人として名を連ねることになりました。

翌1535年、ロヨラが病気で一時的に離脱すると、ロドリゲスは指導代行のファーヴルの下で学び続けました。彼は1536年11月に修士号を取得しパリを離れ、1537年1月にヴェネツィアでロヨラと再会しました。その後、ローマへ赴き、教皇パウルス3世から祝福を受け、再びヴェネツィアに戻り、6月24日に司祭に叙階されました。

当初、誓願の目標であった聖地エルサレムへの巡礼は実現しませんでした。そのため、ロドリゲスを含むグループは北イタリアでそれぞれ分かれて説教活動を行うことになりました。ロドリゲスはクロード・ル・ジェと共にフェラーラへ、その後パドヴァへと移動し、布教活動に励みました。1540年、ポルトガル王ジョアン3世が宣教師派遣を要請した際、ロヨラは当初ボバディリャと共にロドリゲスをインドのゴアへ派遣する予定でしたが、ボバディリャが重病に倒れたため、代わりにザビエルが派遣されました。ロドリゲスはジョアン3世の要請によりポルトガルに留まり、ザビエルは単独でゴアへ向かいました。

ポルトガルに留まったロドリゲスは、後進の指導に力を注ぎました。彼はコインブラにコレギウム（学院）を設立し、学生たちを受け入れ、ポルトガルにおけるイエズス会の発展に大きく貢献しました。1541年には、イエズス会総長選出においてロヨラを支持し、彼を初代総長に選出させました。その後、ロドリゲスはポルトガル管区長に任命されましたが、次第にイエズス会本部との意見の相違が目立つようになり、退会の危機も噂されるようになりました。しかし、ロヨラの説得によりイエズス会に留まることを決意し、イエズス会の初期の歴史書である『イエズス会の起源と発展』の編纂に取り組みました。この本は彼の死後、1869年に出版されました。

1553年、ロドリゲスは管区長の職を辞任し、その後の人生を静かに過ごしました。彼は1579年にこの世を去りました。シモン・ロドリゲスの生涯は、イエズス会の創立と初期の発展に大きく貢献した人物としての重要な足跡を残しています。

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