シャトル便

シャトル便とは

シャトル便とは、予約なしで利用できる、大都市間を結ぶ高頻度かつ低運賃の航空便のことを指します。都市間の移動を、まるでシャトルバスのように手軽に利用できるのが特徴です。

歴史

シャトル便の歴史は、1950年代のアメリカに遡ります。ニューヨーク - ワシントンD.C.やニューヨーク - ボストンなどの大都市間路線で、イースタン航空が予約不要の定時便を高頻度で運航したのが始まりとされています。これは、通勤客を含むビジネス客の需要に応えるためのものでした。

特徴

シャトル便は、以下のような特徴を持っています。

高頻度運航: 通勤客を主な顧客とするため、朝夕のラッシュ時には10～15分間隔、深夜でも1時間間隔で運航されることが多く、ほぼ24時間運航されています。
予約不要: エアタクシーとは異なり、予約なしで利用できる点が大きなメリットです。
低運賃: 自動車、バス、鉄道などとの競合から、低運賃で利用できるように設定されています。
機内: ビジネスクラスで統一され、ビジネスバッグに対応した手荷物スペースが確保されていることが多いです。機内エンターテイメント設備は基本的になく、サービスは飲み物程度です。

運航ルート

世界各地で様々なルートでシャトル便が運航されています。以下に主な例を挙げます。

アメリカ:
ニューヨーク - ワシントンD.C.
ニューヨーク - ボストン
ニューヨーク - シカゴ
ロサンゼルス - サンフランシスコ
南米:
サンパウロ - リオデジャネイロ
ヨーロッパ:
ロンドン - ダブリン
マドリード - バルセロナ
イスタンブール - イズミル
アジア:
シンガポール - クアラルンプール
北京 - 上海
北京・上海 - ソウル
ソウル（金浦） - 済州

これらの路線では、複数の航空会社が競合してサービスを提供しています。

日本におけるシャトル便

日本では、東海道・山陽新幹線との競合が激しい東京（羽田・成田） - 大阪（伊丹・関西）・神戸線において、1990年代にJAL、ANA、JASの大手3社が協力し、専用カウンターを設置して利便性を向上させた「シャトル便」サービスが開始されました。

2000年9月20日からは、3社連帯運送による共通の運賃制度も導入されました。しかし、JALによるJASの吸収合併後、ANAとの競争が激化し、協調したサービス展開は縮小傾向にあります。

共通ウェブサイトは2008年3月末に閉鎖され、2社共有の予約サイト「国内線ドットコム」も2016年3月27日に閉鎖されました。また、2017年10月28日には、共通で利用できる往復割引運賃としてのシャトル便の設定が終了しました。しかし、現在でも羽田 - 伊丹間では、両社の便が30分間隔で交互に出発するダイヤが維持されています。

シャトル便の今後の展望

シャトル便は、都市間の移動手段として重要な役割を担っています。今後、より利便性が高く、快適なサービスが提供されることが期待されます。また、テクノロジーの進化に伴い、新たな形のシャトル便が登場する可能性も考えられます。

関連項目

シャトルバス
格安航空会社
エアタクシー
共通乗車制度
* ドミナント戦略

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