シャトレ-レ・アル駅

シャトレ・レアル駅：パリの心臓部を支える巨大ターミナル

パリの中心部に位置するシャトレ・レアル駅（Gare de Châtelet - Les Halles）は、RER（フランス国鉄近郊線）A線、B線、D線の3路線と、メトロ1号線、4号線、7号線、11号線、14号線の5路線が乗り入れる、パリでも有数の規模を誇る巨大ターミナル駅です。イル・ド・フランス地域圏へのアクセスを担う重要な交通結節点であり、1日の利用客数は実に75万人を超えます。RERとメトロの乗客を合わせると、その数は実に膨大なものになります。

駅構造：地下街と一体化した巨大な地下空間

シャトレ・レアル駅は、地下4階にコンコース、地下5階にホームを持つ完全な地下駅です。駅全体が地下に存在し、地上への直接の出口はなく、メトロ各線との乗り換え口、または、巨大な地下ショッピングセンター「フォーラム・デ・アル」を通らなければ地上に出ることができません。このフォーラム・デ・アルは、かつてこの地に存在した中央市場（レ・アル）跡地に建設されたヨーロッパ最大級の地下街で、駅と一体化された構造となっています。

ホームは南北方向に島式ホーム4面7線で構成され、中央の1線は両側にホームを挟まれた構造です。各線は西から順に、A線西行（オーベール駅方面）、B線北行（パリ北駅方面）、D線北行（パリ北駅方面）、D線折り返し線、D線南行（リヨン駅方面）、B線南行（サン・ミシェル＝ノートルダム駅方面）、A線東行（リヨン駅方面）と配置されています。A線とB線の間は対面乗り換えが可能です。

改札口はコンコースの東、西、南の3箇所に設置され、東口はフォーラム・デ・アルと直結、西口はメトロのレ・アル駅、南口はメトロのシャトレ駅とそれぞれ連絡しています。B線とD線は駅の北側で合流しており、パリ北駅までは共通の線路を使用しています。

駅周辺：歴史と経済が交差する中心地

シャトレ・レアル駅周辺は、中世以来のパリの中心部であり、歴史的な建造物と現代的な経済活動が混在するエリアです。サン・トゥスタシュ教会やイノサンの泉といった歴史的建造物のほか、商品取引所など経済活動の中枢もこの地域に位置しています。まさにパリの歴史と活気が交差する場所と言えるでしょう。

メトロとの接続：複雑な乗り換えシステム

シャトレ・レアル駅は、メトロ4号線のレ・アル駅、および1号線、4号線、7号線、11号線、14号線のシャトレ駅と接続しています。メトロ各線への乗り換えは、駅構造の複雑さから、決して容易ではありません。特にシャトレ駅との乗り換えは、長い連絡通路を歩く必要があり、複数の乗り換えを伴う場合もあります。地上に出れば「シャトレ」バス停があり、多数の路線バスと深夜バスが発着しています。

歴史：中央市場から巨大ターミナル駅へ

現在駅のある場所は、古くからパリの商業の中心地でした。12世紀には中央市場（レ・アル）の原型が誕生し、長い歴史を持つ商業の中心地でした。第二次世界大戦後、1959年には市場の郊外移転が決定され、1960年代にはRERの計画が具体化。この地に各線を接続するターミナル駅を建設することが決定されました。1971年に市場がランジスに移転した後に、駅とフォーラム・デ・アルの建設が始まり、1977年12月9日にRER A線、B線の駅が開業しました。その後、段階的に他の路線が開業し、現在の巨大ターミナル駅となりました。

隣の駅

A線：オーベール駅、リヨン駅
B線：パリ北駅、サン・ミシェル＝ノートルダム駅
* D線：パリ北駅、リヨン駅

シャトレ・レアル駅は、パリの交通網の中枢を担う重要な駅です。その複雑な構造と歴史を理解することで、よりスムーズに、そしてより深くパリを楽しむことができるでしょう。

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