シャルリーヌ・ファンスニック

シャルリーヌ・ファンスニック：ベルギーを代表する柔道家

シャルリーヌ・ファンスニック（Charline Van Snick）は、1990年9月2日生まれ、ベルギー・リエージュ州出身の元柔道選手です。157cmの身長で、48kg級と52kg級で活躍しました。元世界2位の柔道家であるセドリック・タイマンスをコーチに迎え、Flam91クラブに所属していました。

選手としてのキャリア

ファンスニックは6歳で柔道を始め、2009年のヨーロッパジュニア選手権で優勝。しかし、世界ジュニア選手権では遠藤宏美に敗れ5位に終わりました。2010年1月には、ワールドカップ・ソフィアで遠藤を破り、シニアの国際大会で初優勝を飾りました。同年4月のヨーロッパ選手権では3位に入賞しています。

2010年10月のグランプリ・ロッテルダムでは、準決勝で日本の山岸絵美、決勝で北京オリンピック金メダリストのアリナ・ドゥミトルを破り優勝。2011年2月のグランプリ・デュッセルドルフでは、3回戦で再び山岸に勝利するも、決勝で福見友子に敗れました。2011年世界選手権では準決勝で福見に、3位決定戦ではチェルノビツキ・エーヴァに敗れ、メダルを逃しました。同年12月のグランドスラム・東京では準決勝で浅見八瑠奈に敗れています。

彼女は接近戦からの裏投、横落、浮落などを得意とするパワーファイターであり、国際大会で実績を残しました。

2012年1月のワールドマスターズでは5位。しかし、同年2月のグランプリ・デュッセルドルフでは優勝を果たしました。2012年ロンドンオリンピックでは準決勝で敗れたものの、銅メダルを獲得しました。2013年の世界選手権では3位に入賞しました。

約1年間のブランクを経て、2014年9月のグランプリ・ザグレブで3位。2015年2月のグランプリ・デュッセルドルフで優勝、同年6月のヨーロッパ選手権（ヨーロッパ競技大会）でも優勝しました。2016年のヨーロッパ選手権では2連覇を達成。2016年リオデジャネイロオリンピックでは2回戦で敗退しました。

その後、階級を52kg級に変更し、2017年3月のグランドスラム・バクーで3位。2018年の世界選手権では5位入賞。2021年7月の東京オリンピックでは7位に終わりました。2024年1月に現役引退を表明しました。

ドーピング問題

2013年10月、世界選手権後のドーピング検査でコカイン代謝物の陽性反応が検出されたことが発表されました。ファンスニックは潔白を主張し、記者会見で禁止薬物の摂取を否定しました。毛髪検査の結果、検出されたコカイン代謝物は極微量であり、意図せず間接的に摂取された可能性が示唆されました。

しかし、Bサンプルの追試でもコカイン代謝物が検出されたため、IJF（国際柔道連盟）は彼女が獲得した世界選手権の銅メダルを剥奪し、2年間の出場停止処分を科しました。ファンスニックはスポーツ仲裁裁判所（CAS）に提訴し、出場停止期間の軽減を求めました。CASは彼女の訴えを認め、出場停止処分を取り消しましたが、メダルの返還は認めませんでした。

弁護士によると、ベルギーの司法当局は第三者がドーピングを仕掛けた可能性について調査を行っているとのことです。

主な戦績

48kg級、52kg級で数多くの国際大会でメダルを獲得しています。

2012年 ロンドンオリンピック 3位
2013年 世界選手権 3位（後に失格）
2015年 ヨーロッパ競技大会 優勝
2016年 ヨーロッパ選手権 優勝

引退後

現役引退後、彼女がどのような活動をするのかはまだ明らかではありませんが、ベルギー柔道界に貢献していくことが期待されます。

(出典: JudoInside.com)

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