シャルル4世・ダンジュー

シャルル4世・ダンジュー（Charles IV d'Anjou, 1414年10月14日 - 1472年4月10日）は、中世フランスの貴族であり、メーヌ伯（1441年 - 1472年）およびギーズ伯（1444年 - 1472年）として知られています。彼はシャルル・デュ・メーヌ（Charles du Maine）とも呼ばれ、アンジュー公ルイ2世・ダンジューとヨランド・ダラゴンの三男として生まれました。彼の兄にはルイ3世・ダンジューとルネ・ダンジュー、そして姉にはフランス王シャルル7世の王妃マリー・ダンジューがいます。

生涯

シャルル4世は、次兄ルネからメーヌ伯位を譲り受けました。また、2度目の結婚を通じてギーズ伯位を獲得しました。彼の政治的なキャリアは、1433年に母と親しかったフランス王国大元帥アルテュール・ド・リッシュモンの画策によって、シャルル7世の寵臣ジョルジュ・ド・ラ・トレモイユが失脚したことで大きく動き出します。シャルル4世はその後釜として宮廷に迎えられ、シャルル7世の義弟という立場から国王の信頼を得ました。彼はリッシュモンとも緊密な関係を築き、宮廷内では彼らを中心とした勢力が形成されました。

シャルル4世は、リッシュモンが進める軍事改革に積極的に賛同し、1439年に発布された貴族の軍隊招集と課税禁止の勅令を支持しました。しかし、この勅令はブルボン公シャルル1世をはじめとする貴族たちの反発を招き、宮廷内はシャルル4世とリッシュモンの派閥と、ブルボン派との対立が激化しました。この対立が、1440年に勃発したプラグリーの乱の一因となりました。反乱は最終的に鎮圧され、ブルボン派の軍事ポストへの登用とアンジュー派の宮廷官職の確保という妥協点が見いだされ、両派の対立は終息に向かいました。

シャルル4世は、ブルゴーニュ公フィリップ3世（善良公）に捕らえられていた兄の代理としてアンジューの経営に尽力しました。1436年には、リッシュモンや兄であるブルターニュ公ジャン5世とともにフランス・ブルターニュ同盟とジル・ド・レの所領問題について協議しました。また、1444年にはメスの反乱平定に向かうシャルル7世に同行しています。リッシュモンとの関係強化の一環として、後妻の姉妹であるカトリーヌをリッシュモンの3番目の妻に迎えさせています。

シャルル4世は1472年に57歳で亡くなり、後を息子のシャルル5世が継ぎました。

子女

1434年、コベッラ・ルッフォと結婚し、一男をもうけましたが、この息子ジャン・ルイは早世しました。

1443年、サン＝ポル伯ピエール1世の娘イザベル・ド・サン＝ポルと再婚し、以下の子女をもうけました。

ルイーズ（1445年 - 1477年） - ヌムール公ジャック・ダルマニャックと結婚
シャルル5世（1446年 - 1481年）

参考文献

ジャン＝ポール・エチュヴェリー著、大谷暢順訳『百年戦争とリッシュモン大元帥』河出書房新社、1991年。
清水正晴『《青髯》 ジル・ド・レの生涯』現代書館、1996年。
* 上田耕造『ブルボン公とフランス国王 -中世後期フランスにおける諸侯と王権-』晃洋書房、2014年。

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