マリー・ダンジュー

マリー・ダンジュー：フランス王妃の生涯

マリー・ダンジュー（Marie d'Anjou, 1404年10月14日 - 1463年11月29日）は、フランス王シャルル7世の王妃として、15世紀のフランスに生きた女性です。彼女はヴァロワ家の傍系、ヴァロワ＝アンジュー家の一員として、その生涯をスタートさせました。

生い立ちと家族

マリーは、アンジュー公ルイ2世と、アラゴン王フアン1世の娘であるヨランド・ダラゴンの間に生まれました。彼女の兄弟には、アンジュー公ルイ3世、ナポリ王・ロレーヌ公・プロヴァンス伯であったルネ、そしてメーヌ伯シャルルがいます。また、イングランド王ヘンリー6世の妃であるマルグリットは、ルネの娘であり、マリーにとっては姪にあたります。

結婚と王妃としての生活

1422年、マリーはブールジュで、又従兄にあたるシャルル7世と結婚しました。二人の間には12人の子供が生まれましたが、シャルル7世の愛情は、愛妾であるアニェス・ソレルに強く向けられていました。しかし、マリーの寛容さと、アニェスの立場をわきまえた賢明な姿勢によって、二人の女性は互いに敵対することなく、時には共に過ごすこともあったと言われています。

子女

マリー・ダンジューとシャルル7世の間には、以下の子どもたちがいました。

ルイ11世（1423年 - 1483年）：後のフランス王
ジャン（1424年 - 1425年）
ラドゴンド（1428年 - 1444年）
カトリーヌ（1428年 - 1446年）：ブルゴーニュ公シャルルの最初の妃
ジャック（1432年 - 1437年）
ヨランド（1434年 - 1478年）：サヴォイア公アメデーオ9世の妃
ジャンヌ（1435年 - 1482年）：ブルボン公ジャン2世の妃
マルグリット（1437年 - 1438年）
マリー（1438年 - 1439年）
ジャンヌ（1438年 - 1446年）
マドレーヌ（1443年 - 1486年）：ビアナ公ガストン・ド・フォワの妃。ナバラ王フランシスコ1世、女王カタリナの母。
シャルル（1446年 - 1472年）：ベリー公

多くの子どもたちの中でも、ルイ11世はフランス王として即位し、その後のフランスの歴史に大きな影響を与えました。また、娘たちはヨーロッパ各地の有力な貴族と結婚し、マリー・ダンジューの血筋は広範囲に広がっていきました。

トランプのクイーンとの関連

興味深いことに、異説も存在しますが、トランプのクローバーのクイーンのモデルの一人として、マリー・ダンジューの名前が挙げられることがあります。真偽は定かではありませんが、彼女の王妃としての威厳と美貌が、後世にまで影響を与えたことを示唆するエピソードと言えるでしょう。

マリー・ダンジューは、激動の時代を生きた王妃として、その名を知られています。夫の愛妾との複雑な関係、多くの子どもたちの母としての顔、そしてトランプのクイーンのモデルとしての伝説。彼女の生涯は、様々な側面から語り継がれています。

もう一度検索