シャーク (SS-174)

アメリカ海軍潜水艦シャーク（USS Shark, SS-174）

「シャーク」は、アメリカ海軍のポーパス級潜水艦の一隻で、その名はサメに由来します。1936年に就役し、太平洋戦争初期に活動しましたが、1942年に消息を絶ちました。

艦歴

1933年10月24日、コネチカット州のエレクトリック・ボート社で起工。1935年5月21日に進水し、1936年1月25日にC・J・カーター少佐の指揮下で就役しました。北大西洋とカリブ海での調整後、パナマ運河を通過し、1937年3月4日にカリフォルニア州サンディエゴに到着しました。

1938年には、第6潜水戦隊の一員として訓練や陸軍との共同作戦に従事。メア・アイランド海軍造船所での定期オーバーホール後、1938年12月16日にサンディエゴを出航し、真珠湾で第4潜水戦隊に合流しました。ハワイ海域での2年間の活動後、1940年12月3日に真珠湾を出航し、フィリピンのマニラでアジア艦隊に加わりました。以後、真珠湾攻撃まで艦隊演習と訓練に明け暮れました。

哨戒

1941年12月8日、太平洋戦争が開戦。キャビテにいたシャークは、ルイス・シェーン・ジュニア少佐の指揮下で戦時行動を開始しました。翌12月9日、最初の哨戒でフィリピン近海へ向かいました。12月11日には、タヤバス湾方面に日本の輸送船団がいるとの報告を受け偵察を行いました。12月19日、シャークはアジア艦隊司令長官とその幕僚を乗せてマニラから脱出。12月21日朝にマニラ湾を抜け、7日間かけてジャワ島のスラバヤまで送り届けました。

1942年1月5日、2回目の哨戒でセレベス島方面へ向かいました。1月6日19時頃、浮上航行中に日本の潜水艦からの雷撃を受けましたが、魚雷は命中しませんでした。その後、アンボン島方面への移動を命じられ、1月27日にモルッカ海峡を哨戒する潜水艦群に合流しました。2月2日には、ティフォレ島沖で爆雷攻撃を受けました。2月7日、北西へ向かう貨物船を追跡中と報告したのを最後に、消息不明となりました。

シャークの喪失

アメリカ側の記録では、2月11日の駆逐艦山風による攻撃がシャークの喪失原因とされています。山風はマナド沖で浮上潜水艦を発見し、砲撃を加えました。10分間の戦闘後、潜水艦は沈み始め、水中からの音は確認されましたが、生存者は発見されませんでした。

一方、日本側の記録では、2月17日23時38分頃に、駆逐艦雷がセレベス島東岸を南下中に雷撃を回避し、反撃として爆雷攻撃を行った結果、海面に重油が浮かび上がったとされています。この攻撃もシャークの喪失に関係している可能性がありますが、確証はありません。

これらの攻撃のいずれかがシャークの最期である可能性が高いものの、正確な状況は不明なままです。

シャークは第二次世界大戦の戦功により、1個の従軍星章を受章しました。その短い生涯の中で、数々の任務をこなし、太平洋戦争初期におけるアメリカ海軍の潜水艦戦を支えたのです。

参考文献

(Issuu) SS-314, USS SHARK. Historic Naval Ships Association.
Roscoe, Theodore. United States Submarine Operetions in World War II. Annapolis, Maryland: Naval Institute press.
Blair,Jr, Clay (1975). Silent Victory The U.S.Submarine War Against Japan. Philadelphia and New York: J. B. Lippincott Company.
Friedman, Norman (1995). U.S. Submarines Through 1945: An Illustrated Design History. Annapolis, Maryland: United States Naval Institute.
木俣滋郎『日本水雷戦史』図書出版社、1986年。
木俣滋郎『敵潜水艦攻撃』朝日ソノラマ、1989年。
木俣滋郎『日本潜水艦戦史』図書出版社、1993年。
谷光太郎『米軍提督と太平洋戦争』学習研究社、2000年。

関連項目

第二次世界大戦中のアメリカ海軍の喪失艦一覧

外部リンク

navsource.org



この記事はアメリカ合衆国政府の著作物であるDictionary of American Naval Fighting Shipsに由来する文章を含んでいます。

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