ショー (DD-373)

アメリカ海軍 駆逐艦ショー(USS Shaw, DD-373)の生涯

ショー(USS Shaw, DD-373)は、アメリカ海軍が保有したマハン級駆逐艦の一隻であり、その艦名はアメリカ海軍の英雄、ジョン・ショーに敬意を表して命名されました。本艦は、その数奇な運命と太平洋戦争での活躍によって、アメリカ海軍史にその名を刻んでいます。

艦歴

就役から太平洋戦争開戦まで

1934年 10月1日、ショーはペンシルベニア州フィラデルフィアのフィラデルフィア海軍工廠でその生涯をスタートさせました。1935年 10月28日には進水式を迎え、1936年 9月18日、E・A・ミッチェル少佐の指揮下で正式に就役しました。

就役後、ショーは1937年4月までフィラデルフィアに留まり、調整航海として大西洋を横断しました。同年6月18日に帰還し、1年に及ぶ改修工事を経て、1938年6月に公試運転を開始。その後は大西洋での訓練演習に励みました。1939年には太平洋へ移動し、メア・アイランド海軍工廠でオーバーホールを実施しています。

1940年4月まで西海岸で訓練を重ね、航空母艦や潜水艦との合同作戦に参加。その後ハワイへ向かい、艦隊演習に参加しました。11月にはオーバーホールのため西海岸へ帰還しましたが、1941年2月中旬には再びハワイへ戻り、11月までハワイ諸島周辺海域で活動しました。

真珠湾攻撃

1941年12月7日の真珠湾攻撃時、ショーは浮きドックYFD-2に入渠中でした。日本軍の奇襲により、ショーは前方機銃座に2発、艦橋左舷に1発、計3発の爆弾を受けました。これにより艦内で火災が発生し、消火活動が行われましたが、消火剤の不足から艦の放棄命令が下されました。ドックへの注水による消火も不十分で、前方弾薬庫への引火により大爆発が発生。艦首を含む船体前半部がほぼ失われるという深刻な損傷を受けました。しかし、浮きドックに入渠していたことが幸いし、沈没は免れました。

1942年以降

応急修理後、1942年2月9日に本格修理のためサンフランシスコへ向かい、船体の再建作業が行われました。同年6月、修理を終えたショーは、サンディエゴ海域での訓練を経て、8月31日に真珠湾へ帰還。その後、西海岸とハワイ間の船団護衛任務に従事しました。

10月中旬、空母エンタープライズを中心とした部隊の一員として西へ向かい、ホーネットを中心とする部隊と合流。第61任務部隊としてサンタクルーズ諸島北部へ進出し、ガダルカナル島へ向かう日本軍部隊を迎え撃ちました。10月26日、敵の攻撃により損傷した駆逐艦ポーターの援護に駆け付け、同艦の乗員救助と撃沈処分を命じられました。その後、任務部隊に再合流しました。

1943年1月10日、ショーはヌメア湾沖のスルノワ岩礁で座礁し、船体、スクリュー、ギアに大きな損傷を受けました。応急修理の後、真珠湾で修理と武装の改修が行われました。同年10月6日、再びニューカレドニアへ向かい、その後ニューギニアのミルン湾に入港。ラエやフィンシュハーフェンへの増援軍を護衛しました。12月には、ニューブリテン島への攻撃作戦に参加し、グロスター岬への艦砲射撃を実施。その際、敵機による攻撃を受け、多数の乗組員が死傷しました。

1944年初頭、本国での修理のため帰還。同年5月1日、サンフランシスコで修理を完了し、真珠湾に帰還しました。その後、サイパン島攻撃、グアム急襲作戦に参加。1944年10月にはレイテ湾へ進出し、フィリピンとニューギニア間の船団護衛任務に従事しました。

1945年1月にはルソン島侵攻作戦に参加し、護衛任務や火力支援を担当。パラワン島攻撃を支援した後、ヴィサヤ諸島で活動中に座礁、再び損傷を被りました。

1945年5月、本国での修理と改修のためにサンフランシスコに到着。終戦を迎えた後、1945年 10月2日に退役し、その2日後に除籍されました。

戦歴とその後

ショーは第二次世界大戦中、その勇敢な戦いぶりから11個の従軍星章を受章しました。除籍後、船体は1946年 7月にスクラップとして売却され、その波乱に満ちた生涯を終えました。

外部リンク

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