国際平和ビューロー

国際平和ビューローの概要

国際平和ビューロー（International Peace Bureau、略称：IPB）は、ベルリンに本部を置く、国際的に活動する非政府組織（NGO）です。この団体は、平和の維持と推進を目的として、1890年にその設立が提案されました。元々は1891年にイタリアのローマで開催された第3回国際平和会議の決定を受けて、スイスのベルンで設立されました。創設者には、シャルル・ゴバなどが名を連ねており、初代の事務局長にはエリー・デュコマンが就任しました。

主な活動と成果

国際平和ビューローは設立以来、数々の重要な平和活動を行ってきました。例えば、1895年にはフランスによるマダガスカルの植民地化に際して調停を提案し、また、1899年の第二次ボーア戦争では、イギリスのビクトリア女王とトランスヴァール共和国のクリューガー大統領に停戦を勧告する電報を送信するなど、積極的に介入を試みました。その結果、1910年にはノーベル平和賞を受賞しています。

しかし、第一次世界大戦後の国際連盟や第二次世界大戦後の国際連合の設立により、国際平和ビューローの活動は次第に縮小し、その存在意義は薄れていきました。1959年には新たに設立された平和機関国際連絡委員会にその機能が引き継がれ、事務局はすでに1924年にジュネーヴに移されていましたが、その際に「国際平和ビューロー」という名称が与えられました。この組織は現在も、ノーベル平和賞の推薦権を持つ理事会メンバーを抱えています。

現代の活動

1960年代からは、ベトナム戦争に対する反対運動を展開するなど、市民運動としての側面も強調されています。この時期には、多くのノーベル平和賞受賞者が国際平和ビューローのメンバーとして活動しており、1901年から1982年までに受賞したノーベル平和賞の受賞者の13人がその一員であったことが記録されています。また、1992年にはショーン・マクブライド平和賞を設け、国際的な平和促進に貢献した個人や団体に対する表彰制度を確立しました。

2008年には、平和市長会議と広島市長・秋葉忠利、長崎市長・田上富久を連名でノーベル平和賞候補として推薦しました。さらに、2010年には日本原水爆被害者団体協議会を同様に候補として提案しました。これらの活動は、国際平和ビューローが平和推進のために尽力している証左と言えます。

異議申し立てと日本の加入団体

2012年のノーベル平和賞授与に関しては、欧州連合に対して授与したことに異議を唱える公開書簡をノーベル財団に送信しました。彼らは、このような授与が創始者であるアルフレッド・ノーベルの遺志に反すると主張し、平和のための貢献を重視すべきだとの立場を表明しました。

日本においては、以下の4団体が国際平和ビューローに加入しています。

• - 原水爆禁止日本国民会議
• - 原水爆禁止日本協議会
• - 日本原水爆被害者団体協議会
• - 特定非営利活動法人ピースデポ

こうした団体を通じて、日本国内でも国際的な平和活動が展開されています。

国際平和ビューローは、歴史的背景や多岐にわたる活動を通じて、平和促進の重要性を訴え続けている重要な組織です。

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