シラス (魚)

シラス（白子）について

シラスは、色素が少なく主に白っぽい稚魚や仔魚を指す言葉であり、さまざまな魚の幼生が含まれています。代表的な魚には、イカナゴ、カタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシ、アユ、ニシン、さらにはウナギの稚魚（シラスウナギ）が存在します。多くの場合、これらを塩茹でや乾燥させて食用とすることが一般的で、特にカタクチイワシの仔魚がその大部分を占めます。

稚魚の捕獲と加工

シラスは、特定の漁法（シラス網）を用いて捕獲されます。このため、さまざまな魚の稚魚が混入することがあり、時にはタコやイカの幼生、エビやカニの幼生も捕まることがあります。通常、混入している魚の中には食べても問題ないものがほとんどですが、稀にフグの仔魚が混じることもあり、注意が必要です。フグは毒を含むため、取り除いてから食べることが推奨されます。

調理方法としては、塩茹でにした後に干した「白子干し」が一般的です。これらはそのまま食べたり、ご飯にふりかけたり、大根おろしと和えたりと、さまざまな料理に利用されています。また、蛋白質やカルシウムが豊富で、栄養価が高い食材です。

日本の一部地域では、シラスを生きたまま調味料に漬け込んで食べる「踊り食い」が楽しまれています。この食べ方では新鮮なシラスの風味を楽しむことができ、特に刺身としての人気もあります。加えて、シラスは水分含有量に応じて分類され、茹で上げ後の水切りによって「釜揚げ」や「しらす干し」として販売されています。これらは地域によって呼称が異なることがあり、関東では「しらす干し」が多く、関西では「ちりめんじゃこ」と言われることがあります。

漁獲状況

シラスの漁獲は主に太平洋沿岸、瀬戸内海、伊勢湾、駿河湾、相模湾などで行われています。2016年のデータでは、日本のシラス漁獲量は約62900トンに達しました。特に兵庫県が最も多く、続いて静岡県や愛知県が続くなど、地域ごとの漁獲量に差があります。

シラスウナギに関しては、これはウナギの稚魚を指します。著名な料理の元として利用される一方で、シラスウナギは日本国内では豊富に漁獲されているわけではないため、高値で取引されることがあります。

海外でのシラス

シラスは日本以外にも、海外で様々な呼び名やレシピが存在します。たとえば、イタリアではシラスが「ビアンケッティ」として親しまれており、ナポリ地域では「チチニエリ」として料理に使われています。また、ニュージーランドでもキュウリウオ目の稚魚を「ホワイトベイト」として知られ、高級食材として扱われることがあります。

このように、シラスは日本国内外で幅広く楽しまれている食材であり、その種類や食べ方は地域によって異なります。今後も多様性を誇るシラスの魅力は続くことでしょう。

もう一度検索