シリアル食品

シリアル食品

シリアル食品は、トウモロコシ、オーツ麦、小麦、大麦、米などの穀物を加工し、長期保存に適した簡便食です。フレーク状、パフ状、シート状など様々な形状があり、牛乳やヨーグルトなどの乳製品をかけて食べることが一般的です。

日本では「朝食シリアル」とも呼ばれ、調理不要なコールドシリアル（RTEシリアル）と、加熱調理が必要なホットシリアルに大別されます。アメリカ合衆国発祥で、豊富な製品群が展開されています。

歴史

19世紀末から20世紀初頭のアメリカで、健康改革運動が起こり、科学的な朝食としてシリアルが推奨されました。当初は健康食品として広まりましたが、子供向けシリアルはカロリー過多として批判も浴びました。しかし、全粒粉シリアルはビタミンが豊富で、現在も健康食品としての側面があります。

シリアル食品の起源は、ジェームス・ケイレブ・ジャクソンが発明した「グラニューラ」という穀物食品です。また、ほぼ同時期に、マクシミリアン・ビルヒャー＝ベンナーがミューズリーを発明しました。

1887年、ジョン・ハーヴェイ・ケロッグは「グラニューラ」を販売しましたが、ジャクソンから商標権侵害で訴えられ、「グラノーラ」に改名しました。その後、弟のウィリアム・ケロッグと共に研究開発を進め、コーンフレークを完成させました。ウィリアムは砂糖を加えてコーンフレークを美味しくし、大成功を収めました。1906年には会社を設立し、現在のケロッグ社の前身となりました。ケロッグの成功により、多くのシリアル業者が参入し、バトルクリークは「シリアル・シティ」と呼ばれるようになりました。

日本における動向

シリアル食品産業の発展により、シリアルバー、シリアル入りクッキー、チョコレートコーティングされたシリアル、一口大の「ビッツ」など、様々な形態の食品が登場しました。カップタイプの個食や、スープに合う塩味のシリアル食品も存在します。

ホテルの朝食バイキングでは、ご飯やパンと共に提供されることがあります。

その他の情報

グラノーラ: 全粒穀物を加工したシリアルの一種
ミューズリー: 穀物、ナッツ、ドライフルーツなどを混ぜ合わせたシリアル
コーンフレーク: トウモロコシをフレーク状にしたシリアル

参考文献

The Oxford Companion to American Food and Drink (オックスフォード大学出版)
甲南大学 井野瀬 久美惠 教授　第９回嗜好品文化フォーラム　基調講演 「微妙な差異を愉しむ ∼シリアル食品をめぐって∼」
Harold McGee 著、香西みどり 訳『マギー キッチンサイエンス』共立出版、2008年。ISBN 9784320061606。
* 本間千枝子; 有賀夏紀 (2004), 世界の食文化 12 : アメリカ, 農山漁村文化協会, ISBN 9784540040856

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