シルクセンター

横浜シルクセンター：歴史と革新が交錯する場所

横浜シルクセンターは、横浜港の象徴的な存在であり、その歴史は横浜の開港と深く結びついています。この施設は、単なる建物ではなく、横浜の絹産業の振興、貿易の促進、そして観光事業の発展という複数の目的を担ってきました。

歴史的背景

シルクセンターの地は、かつてイギリスの貿易商社ジャーディン・マセソン商会（怡和洋行）のオフィスがあった場所でした。この由緒ある地は「英一番館」と呼ばれており、その歴史的価値は非常に高いものでした。横浜開港100周年を記念して、1959年に神奈川県知事内山岩太郎の発案により、シルクセンターは建設されました。正式名称は「シルクセンター国際貿易観光会館（略称KKK）」であり、その建築は、建築家坂倉準三によって設計されました。坂倉準三はル・コルビュジエの弟子であり、その建築様式は師の影響を強く受けています。特に、横浜港を見渡せる独特な外観は、ル・コルビュジエの建築を彷彿とさせます。

構造と変遷

シルクセンターは、低層階と高層階に分かれており、高層階は低層階から突き出したような形状をしています。開館当初、高層階には「シルクホテル」があり、その名声は世界に知られていました。しかし、ホテルニュージャパン火災の影響で消防法が改正され、ホテルは営業を断念せざるを得なくなりました。その後、高層階（6階から10階）は15年間空き家の状態となっていましたが、1998年より「SOHO YOKOHAMA INCUBATION CENTER」として再生され、創業・ベンチャー企業向けのインキュベート施設として生まれ変わりました。この再生には、経済産業省、神奈川県、横浜市、NTT、ドコモ、アップルコンピュータジャパンなどが協力しました。さらに、2010年からは「横浜シルクセンターSOHO」として、新たな管理運営体制のもとで運営されています。

現在の機能

低層階には、シルク博物館、船会社や港湾会社のオフィス、郵便局、神奈川県観光協会観光案内所などが入居しています。かつては横浜生絲取引所も4階に入居していました。また、1972年まで、在横浜中華民国総領事館が402号室に設置されていました。

周辺環境

シルクセンターの周辺には、横浜開港資料館、山下公園、波止場会館、日本大通り、神奈川県庁舎、横浜税関、横浜スタジアムなどがあります。これらの施設は、横浜の歴史と文化を語る上で欠かせない存在であり、シルクセンターが横浜の中心地にあることを示しています。

アクセス

シルクセンターは、横浜市中区山下町1番地に位置しています。

• - 横浜高速鉄道みなとみらい線 日本大通り駅から徒歩3分
• - JR根岸線、横浜市営地下鉄ブルーライン 関内駅から徒歩15分
• - 横浜市営バス「大さん橋入口」から徒歩2分
• - 山下公園の西端の出口から徒歩3分

シルクセンターは、横浜の歴史と文化を体験できる場所であり、訪れる人々に多様な魅力を提供しています。その歴史的背景、建築美、そして現代的な機能は、横浜の発展を象徴する重要な要素となっています。

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