シロトキ

シロトキ（白朱鷺）

分類と特徴

シロトキは、ペリカン目トキ科に属する鳥類の一種で、その学名は Eudocimus albus です。体長は概ね60センチメートルから70センチメートルの範囲であり、全身が真っ白な羽毛に覆われているのが最大の特徴です。対照的に、長く湾曲した嘴から顔の部分、そして脚にかけては鮮やかな赤色を呈しており、白い体とのコントラストが非常に目を引きます。

同属の鳥類であるショウジョウトキとは、体の構造や行動様式において類似点が多いため、一部ではこれらを同じ種として扱うべきではないかという議論も存在します。特に飼育下においては、両者間で比較的容易に交雑し、雑種が生まれることがこの議論の根拠となっています。しかしながら、ベネズエラ国内にシロトキとショウジョウトキが共に生息している地域が存在しますが、そこで自然に交雑した例が確認されていないことなどから、両種はやはり別々の種であると見なす説が現在では主流となっています。

外見的な特徴としては、翼を折りたたんだ状態では通常見えませんが、初列風切羽の外側部分は黒い色をしています。幼鳥の頃は全身が褐色を帯びた地味な色合いをしており、成鳥の純白で鮮やかな色彩になるまでには、およそ2年ほどの期間を要します。

分布

シロトキは、主に北アメリカの南部から南アメリカの北部にかけての広い地域に分布しています。特に、熱帯や亜熱帯気候下の海岸線や河川沿いの湿地帯に多く見られます。

生態

本種は、海岸線や川岸に広がるマングローブ林など、水辺の環境を主な生息地としています。非常に社会性の高い鳥であり、単独で行動することは少なく、多くの場合、大きな群れを形成して生活します。時には、数千羽、さらには1万羽を超えるような非常に大規模な集団を形成することもあります。このような大きな群れは、移動や採食、そして特に繁殖の際に観察されます。

食性は動物食で、主に水辺で見つけられる様々な小動物を捕食します。具体的には、甲殻類（カニやエビなど）、カエル、小型の魚類、そして水生昆虫などを長い嘴を使って巧みに捕らえます。

繁殖期になると、シロトキは集団で繁殖地（コロニー）を形成します。しばしば、他のサギ類などといった水鳥の仲間たちと共に同じ繁殖地を利用することもあります。巣作りにおいては、雌雄で役割分担が見られます。雄が巣を作るための小枝などの材料を集め、それを雌が受け取って、水辺近くの樹上などに皿状の巣を構築します。

一度の繁殖で産む卵の数は、およそ3個から5個です。抱卵期間は比較的短く、約21日から23日間で雛が孵化します。抱卵およびその後の育雛は、雌雄共同で行われます。孵化した雛鳥は、親鳥から給餌を受けながら成長し、通常、孵化してからおよそ40日から50日が経過すると巣立ちを迎えます。

シロトキは、広範囲に分布しており、個体数も比較的安定していることから、現時点では絶滅の危機に瀕している種とは見なされていません。（出典：IUCN Red List of Threatened Species）

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