シンガポールドル

シンガポール・ドルとは

シンガポール・ドルは、シンガポール共和国で使用されている公式通貨です。通貨記号はS$で表され、補助単位として1ドルの100分の1であるセント（S￠）が用いられます。ISO 4217の通貨コードはSGDです。ブルネイ・ドルとは等価に固定されており、ブルネイ国内でもシンガポール・ドルが流通し使用されています。

日本国内では、シンガポールの旧称である「星加坡（シンガポール）」に由来する「星ドル」という通称で呼ばれることもありますが、一般的ではありません。かつては1スターリング・ポンド＝8.57シンガポール・ドルという為替レートが設定されていました。

硬貨

現在、シンガポールでは以下の種類の硬貨が流通しています。

1セント硬貨
5セント硬貨
10セント硬貨
20セント硬貨
50セント硬貨
1ドル硬貨

2009年以降、1セント硬貨の回収が進められており、市場での最小単位は5セントになりつつあります。2013年6月25日からは、新しいデザインの第3世代硬貨が流通を開始しました。各硬貨のデザインは以下の通りです。

1ドル硬貨：マーライオン
50セント硬貨：シンガポール港
20セント硬貨：チャンギ国際空港
10セント硬貨：HDB（公団住宅）
5セント硬貨：エスプラネード

旧硬貨（第1世代、第2世代）も、1セント硬貨を含めて現在も有効です。硬貨の材質は時代によって変化しています。

紙幣

現在発行されている紙幣は、2ドル、5ドル、10ドル、50ドル、100ドルです。かつては1,000ドルと10,000ドルの高額紙幣も発行されていましたが、現在は発行が中止されています。

10,000ドル紙幣：かつては世界最高額の紙幣として知られていましたが、一般には流通していませんでした。2014年に発行が中止されましたが、流通済みの紙幣は使用可能です。
1,000ドル紙幣：2021年1月1日をもって発行が中止されましたが、流通済みの紙幣は使用可能です。
10ドル、5ドル、2ドル紙幣：2004年5月以降、10ドル紙幣はポリマー（プラスチック）製に切り替えられました。その後、5ドルと2ドル紙幣も同様にポリマー製になっています。これにより、多湿な気候でも比較的良い状態で紙幣が保存されています。

各紙幣のデザインにはテーマがあり、表面にはシンガポール初代大統領のユソフ・ビン・イサークの肖像が印刷されています。

記念紙幣

シンガポールでは、以下のような記念紙幣が発行されています。

シンガポール独立25周年記念紙幣：1990年7月24日に発行されました。
ミレニアム記念2ドル紙幣：1999年12月8日に500万枚が発行されました。デザインは通常の2ドル紙幣と似ていますが、シリアルナンバーの部分に「Millennium 2000」のロゴが入っています。
ブルネイ・ドルとの相互利用開始40周年記念紙幣：2007年7月27日に20ドル紙幣が発行されました。ブルネイでも同様のデザインの記念紙幣が発行されています。
シンガポール建国50周年記念紙幣：2015年8月に発行され、初代首相リー・クアンユーの肖像が描かれています。

旧紙幣

現在、旧紙幣にあたる第3世代の紙幣（船シリーズ）も法的には有効です。これらの紙幣の額面は1、2、5、10、50、100、500、1000、10000ドルです。

シンガポールドルは、シンガポールの経済と歴史を映す鏡のような存在であり、そのデザインや変遷は、国の発展とともに歩んできた証と言えるでしょう。

関連項目

* ブルネイ・ドル

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