シンモエダケ

シンモエダケ：疾風の如く駆け抜けた名牝

シンモエダケは、1970年代初頭に活躍した日本のサラブレッド競走馬です。その競走生活は、華々しい勝利と挫折が交錯するドラマチックなものでした。

生い立ちと初期の活躍

シンモエダケは、その馬格の良さを見込まれ、田之上勲調教師によって見出されました。母はオークス3着の実績を持つハクニシキで、シンモエダケもまた、オークス向きの馬と評されていました。

1971年7月、シンモエダケは小倉[[競馬場]]でデビュー戦を迎えました。田之上幸男騎手を背に、芝1000メートルを58秒9のレコードタイムで快勝。続く鎮西3歳ステークスも制し、連勝を飾りました。その後、藤岡範士騎手に乗り替わってからも勢いは衰えず、オープン戦も勝利し、デビューから3連勝を達成しました。この頃から、藤岡騎手が主戦騎手を務めることになります。

デイリー杯3歳ステークスでは、2番人気に支持されましたが、不運にも馬場の悪い最内に入ってしまい4着。しかし、続く紅葉杯では見事勝利。その後、風邪で体調を崩しながらも、阪神3歳ステークスでは、レコード勝ちしたヒデハヤテに敗れたものの、2着を確保しました。

クラシック戦線での激闘

1972年、シンモエダケは4歳となり、クラシック戦線へと駒を進めます。この年は、関東地区で馬インフルエンザが流行した影響で、クラシック戦線の日程が大幅に変更。しかし、シンモエダケは丈夫さを活かし、休むことなくレースに出走しました。

1月には、紅梅賞とシンザン記念を連勝し、重賞初勝利を達成。続くオープン戦も制し、3連勝と勢いに乗りました。毎日杯では3着に敗れたものの、阪神4歳牝馬特別では1番人気に応えて勝利。桜花賞では1番人気に支持されましたが、レース展開についていけず7着に敗れました。このレースでは、同じ田之上厩舎のアチーブスターが勝利しました。その後、4歳牝馬特別でも7着と振るわず、優駿牝馬は回避しました。

秋シーズンは、オープン戦で大敗し、京都牝馬特別でも6着に終わりました。しかし、ビクトリアカップと阪神牝馬特別では3着に入り、底力を見せつけました。

晩年と引退

1973年、シンモエダケは金杯から始動しましたが、8着に終わりました。このレースを最後に、藤岡騎手から田之上騎手に乗り替わります。その後は、勝利を挙げることができず、小倉日経賞の出走を取り消し、現役を引退しました。

引退後は繁殖牝馬となり、その血統は後世に受け継がれることになりました。

シンモエダケは、その美しい馬体とスピードで多くのファンを魅了しました。新馬戦でのレコード勝利から、クラシック戦線での激闘、そして引退まで、その競走生活は、常に観客を興奮と感動の渦に巻き込みました。その名は、日本の競馬史に永遠に刻まれることでしょう。

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