シーターワカ王国

シーターワカ王国の歴史

シーターワカ王国（シンハラ語: සීතාවක）は、かつてスリランカの中南部に存在した王国です。この王国は1521年にコーッテ王国が内紛を経て分裂した結果、独立した勢力として誕生しました。その後、長い時間をかけてセイロン島の大部分を支配するまでになりました。特に1505年にポルトガルの勢力がこの島に到達し、シーターワカ王国との間で激しい戦闘が繰り広げられましたが、シーターワカの国は不安定な状態が続きました。ポルトガルとの闘争や、キャンディ王国での反乱の影響が大きかったためです。

シーターワカの成立

シーターワカ王国の歴史の起源は15世紀、セイロン島西部において栄えていたコーッテ王国に遡ります。特にパラクラマバフ6世の時代には、島全体の統一が実現されました。しかし1467年には北部でジャフナ王国が独立、1505年にはポルトガル人が到達し、コロンボに拠点を築きました。このような状況の中で、1521年、コーッテ王国の王ウィジャヤバーフ6世が内乱により殺害され、三人の息子が彼の王国を分割しました。このことでシーターワカ王国が設立され、王国の中心地は現在のアビッサウェッラにあたる丘陵地帯にありました。

隆盛期と対立

シーターワカ王国の成立後、ブバナイカバフ王はシーターワカとの戦争を視野に入れ、ポルトガルと連携を図りました。1537年から1543年にかけて行われたシーターワカのコーッテ王国への侵攻は、いずれもポルトガルの介入によって失敗しました。しかし、戦局は変わり、シーターワカ王国は1538年に南方のライガマを征服します。

ポルトガルの影響力は確実に増していき、1557年にはコーッテの王ダルマパラがキリスト教に改宗しました。この動きによって、シーターワカには多くの仏教徒が亡命し、対立がさらに深まりました。また、仏教の聖遺物である仏牙もシーターワカに持ち出され、国の象徴となりました。

1562年、コーッテ王国は大規模な反撃に出てきましたが、シーターワカはマラリヤワの戦いで勝利を収め、さらに有利な展開となりました。それに伴い、シーターワカはコーッテ王国の大部分を制圧することに成功します。

ラージャシンハ1世の時代

1581年、マヤドゥンネ王が死去し、その息子ティキリ・バンダラがラージャシンハ1世として即位しました。新たな王は1582年にキャンディ王国に侵攻し、スリランカ全土をほぼ掌握しました。しかし、内部の反乱やポルトガルとの対立は続き、さまざまな陰謀が渦巻く中でラージャシンハ王は内政の安定を図ろうとしました。神聖な寺院は破壊され、仏教から離れ、ラージャシンハ自身もヒンドゥー教に改宗する事態となりました。

1587年、王は壮大な軍を編成しコロンボを攻囲しましたが、海上の援軍なくしては攻略は叶わず、1591年にはポルトガルが再びジャフナ王国に侵入しました。この頃からの攻撃と防御の繰り返しは、王国の存続を脅かす要因となりました。

王国の滅亡

1593年、ラージャシンハは戦闘に敗れ、王国の命運は尽きました。その後、彼が亡くなると、混乱が続く中でシーターワカ王国は滅びてしまいます。冷え切った国土はポルトガルの手に入り、セイロン島の歴史におけるひとつの時代が幕を閉じました。

シーターワカ王国の歴史は、力の争いと絶え間ない戦闘の記録であり、セイロン島の歴史において重要な影響を与えたことは間違いありません。その高原の地で築かれた王国の姿は、今も記憶された歴史の一部として語り継がれています。

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