ジェイミー・カラム

ジェイミー・カラム：ジャズの革新者

ジェイミー・カラム（Jamie Cullum）は、1979年 8月20日、イギリスのエセックスで生まれました。彼は、ジャズを基盤としながらも、様々な音楽ジャンルを融合させた独自のスタイルで世界的な人気を博している、シンガー、ピアニスト、そしてマルチ奏者です。

生い立ちと音楽への目覚め

カラムの父方はドイツ系ユダヤ人、母方はインドとビルマの血を引いており、音楽一家で育ちました。幼い頃から両親や兄の影響で、ジャズだけでなく、ロック、ヒップホップ、アシッド[[ジャズ]]、ブルースなど幅広いジャンルの音楽に触れてきました。特に、マイルス・デイヴィスやビル・エヴァンスといったジャズの巨匠に影響を受け、ジャズへの情熱を深めていきました。レディング大学では英文学と映画を学び、首席で卒業しています。文学への造詣も深く、アーネスト・ヘミングウェイ、ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグといった作家を愛読しています。

インディーズ時代とメジャーデビュー

大学在学中の1999年、カラムはトリオを組み、スタンダード・ジャズやポピュラー・ソングを自主制作でレコーディングしました。コール・ポーターやデューク・エリントンといったジャズの巨匠たちの曲をカバーしたアルバム『Heard It All Before』を500枚限定でリリースし、その後、ライブ活動を積極的に行いました。大学卒業後は、クルーズ客船のピアニストとして、フィヨルド、ギリシャ、アマルフィ海岸など様々な場所を巡りながら演奏活動を行いました。2002年には、アメリカのジャズ・レーベル、キャンディド・レコードからアルバム『ポイントレス・ノスタルジック』をリリース。このアルバムはイギリス国内で10万枚を売り上げるヒットとなり、カラムの名前は広く知られるようになりました。

この成功がきっかけとなり、2003年、カラムは英ユニバーサル・ミュージックと契約を結び、メジャーデビューを果たします。同年10月にリリースされたメジャーデビューアルバム『Twentysomething』は、イギリスのジャズ史上最速で売れたアルバムとなり、全英アルバムチャートで3位にランクイン。米ビルボードのジャズチャートでも3位を記録しました。このアルバムは、カラム自身のオリジナル曲に加え、「雨に唄えば」などのスタンダードナンバー、ジミ・ヘンドリックスやジェフ・バックリィのロック曲をジャズアレンジしたものが収録されており、彼の音楽的な幅広さを示しました。また、このアルバムは第47回グラミー賞ベスト・ジャズ・ヴォーカル部門にノミネートされ、ビルボードのコンテンポラリー・ジャズチャート部門では31週連続でトップ10入りを果たし、全世界で250万枚以上を売り上げ、カラムは一躍スターダムにのし上がりました。さらに、このアルバムに収録されている「エヴァーラスティング・ラヴ」は、映画『ブリジット・ジョーンズの日記きれそうなわたしの12か月』の主題歌に選ばれ、彼の人気をさらに高めることとなりました。

その後の活躍

2004年、カラムは日本のフジロックフェスティバルに初出演。その後も、2005年のアルバム『Catching Tales』、2009年の『The Pursuit』、2013年の『Momentum』、2014年の『Interlude』と、コンスタントにアルバムをリリースし、常に新しい音楽の可能性を追求しています。2014年には、アメリカのバラク・オバマ大統領が主催したホワイトハウスでの「International Jazz Day Concert」に、ウェイン・ショーター、チック・コリア、ジョン・マクラフリンといったジャズ界の巨匠たちと共に招待され、その実力が改めて証明されました。また、2015年には、スターウッド・ホテルズ&リゾーツ・ワールドワイドが運営する最高級ホテル「セントレジス」のアンバサダーに就任し、大阪でプレミアム・ディナーショーを開催。2018年には、自身のラジオ番組が英国ラジオ・アカデミーで「ベスト・ミュージック・プレゼンター賞」を受賞するなど、音楽家としての活動以外にも幅広い分野で活躍しています。

私生活とラジオDJ

カラムは、2010年にファッションモデルのソフィー・ダールと結婚しています。身長差が19cmある夫婦としても知られています。2人の間には2人の娘がいます。また、2010年4月からは、BBCラジオ2で自身のラジオ番組を担当しており、2014年4月からはInterFMでも『Jamie Cullum's Jazz Riot』として放送されていました（2015年3月に終了）。

日本での公演

カラムは日本でも多くの公演を行っており、2004年のフジロックフェスティバルへの出演を皮切りに、クラブやホールでのライブ、ラジオの公開収録など、様々な形で日本のファンを魅了してきました。

ディスコグラフィー

カラムは数多くのアルバムをリリースしており、スタジオアルバムの他にライブアルバムやコンピレーションアルバムも発表しています。

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