ジェネリックトップレベルドメイン

ジェネリックトップレベルドメイン（gTLD）とは

ジェネリックトップレベルドメイン（gTLD）は、インターネットのドメイン名システムにおいて、トップレベルドメイン（TLD）の一種です。これは、特定の国や地域に限定されず、世界中で広く使用されることを目的としています。IANA（Internet Assigned Numbers Authority）によって管理され、インターネットの円滑な運用に不可欠な要素となっています。

gTLDの種類

IANAは、トップレベルドメインを以下のカテゴリーに分類しています。

インフラ用トップレベルドメイン (.arpa)
国別コードトップレベルドメイン（ccTLD）
国際化ドメイン（IDN）
ジェネリックトップレベルドメイン（gTLD）
制限付きジェネリックトップレベルドメイン

この中でもgTLDは、.com、.info、.net、.orgといった、インターネット黎明期から存在するドメインが有名です。これらは、当初は特定の目的を持つ組織向けに割り当てられていましたが、現在では事実上、誰でも利用できるようになっています。また、.biz、.name、.proといったドメインもgTLDに分類されますが、これらは登録に際して一定の条件を満たす必要があり、制限付きジェネリックドメインとされます。

歴史

gTLDの歴史は、インターネットの歴史そのものと言えます。

1984年、最初のTLDとして、.com、.edu、.gov、.mil、.orgが導入され、その後.netが追加されました。当初、これらのドメインは特定の組織や目的に限定されていましたが、時間の経過とともに、その制限は緩和されていきました。

1988年には、国際組織向けの.intドメインが導入され、インターネットのインフラを支える役割も担いました。

1990年代に入ると、TLDの必要性が高まり、ジョン・ポステル氏によって新たなTLD導入に向けた動きが始まりました。しかし、その過程で様々な紆余曲折があり、最終的にICANNがドメイン名管理業務を引き継ぐこととなりました。

2000年、ICANNは.aero、.biz、.coop、.info、.museum、.name、.proといった新しいgTLDを発表し、2001年から順次運用を開始しました。その後も、.cat、.jobs、.mobi、.tel、.travel、.asia、.xxxといったgTLDが追加されています。

条件付き無制限gTLDの導入

2012年、ICANNは企業や団体が独自のgTLDを取得できる新たなプログラムを開始しました。これにより、企業が自社のブランド名やサービス名をgTLDとして登録することが可能になり、ドメイン名の利用に新たな可能性が生まれました。例えば、.canonや.hitachiといった企業名、.tokyoや.nagoyaといった地域名がgTLDとして登録されています。

この新しいgTLDの導入には、18万5000ドルという高額な申請費用や、複雑な申請手続きが必要となるため、一般レベルでの利用は難しいとされています。

日本におけるgTLD導入例

日本でも、多くの企業や地域がgTLDの導入を進めています。

キヤノンは「.canon」の取得準備を開始。
日立製作所は「.hitachi」を取得し、運用を開始。
大日本印刷は「.dnp」を取得し、一部Webサイトで運用。
* 東京都や名古屋市は「.tokyo」「.nagoya」を地域名gTLDとして導入。

また、「.yokohama」「.okinawa」「.ryukyu」「.kyoto」「.osaka」といった地域名gTLDも、それぞれが運用を開始しています。

近年の動向

近年、ICANNはドメイン名衝突を避けるため、.corp、.home、.mailといったTLDの利用を制限しました。また、世界初となるカタカナドメイン「.コム」の登録を開始するなど、ドメイン名の多様化も進んでいます。

gTLDは、インターネットの進化とともに変化し続けています。今後も、新しいgTLDが登場し、インターネットの利用方法に大きな影響を与えることが予想されます。企業や団体は、gTLDの動向を常に注視し、効果的なドメイン名戦略を構築していくことが重要となるでしょう。

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