ジオ・メトロ

メトロ（Metro）について



メトロは、ゼネラルモーターズ・カナダとスズキの合弁企業である「CAMIオートモーティブ」によって製造され、かつてジオやシボレーブランドで販売された小型乗用車です。メトロはそのモデルにより、アメリカ市場での人気を博し、特に燃費の良さやコストパフォーマンスの良さが評価されました。

初代メトロ（1989年-1994年）


初代メトロは、アメリカ市場へ進出するためにスズキがGMにOEM供給した「シボレー・スプリント」をもとにしたモデルであり、ジオブランドの立ち上げとともに誕生しました。この車は、基本的にカルタスの姉妹車にあたります。初代モデルは、3ドアと5ドアのハッチバックバリエーションを持ち、後にカブリオレも加わりました。また、4ドアセダンはカナダ限定で販売されました。

インテリアには、ジオ・ストームと同様にサテライトスイッチが装備されていて、当時共通するデザイン思想を反映しています。エンジンには直列3気筒の1.0リッターエンジンが搭載され、出力は50馬力というものでした。アメリカ市場で販売される他の車両と比べると出力は乏しく感じられましたが、その反面、非常に優れた燃費性能が評価されました。また、装備は最小限に抑えられていたため、販売価格も非常に競争力がありました。

このモデルは、ガソリン価格が高騰していた時期に登場したことで、サブコンパクトカーとして支持を受け、ジオブランドの成功の一翼を担ったのです。初期のラインナップには5速マニュアルトランスミッションを搭載した「XSi」があり、1990年にはエアコンやステレオを備えた「LSi」が追加されました。さらに1991年には受注生産のカブリオレも登場し、2万台以上が売れる好調なスタートを切りました。

カナダでは1989年当初、ジオブランドは展開されず、ポンティアック・ファイアフライとして販売されていましたが、1992年にジオブランドが導入され、その後は「メトロ」という名称で知られるようになりました。

生産と販売


初代メトロのハッチバックとカブリオレは日本で生産されていたが、1990年からはCAMIオートモーティブに生産拠点が移され、セダンモデルのみが日本で引き続き製造されました。1994年まで製造が続けられ、次の世代へとモデルチェンジを迎えました。

2代目メトロ（1994年-2001年）


1995年、メトロはフルモデルチェンジを行い、2代目モデルが登場しました。基本的なコンセプトは維持されているものの、日本仕様のカルタスとは異なり、海外市場向けの専用車両となりました。多くのコンポーネントが先代からの流用で構成されていましたが、エンジンは新設計のものに切り替えられ、出力が若干向上しました。その上、安全性の向上も図られ、ボディは剛性が30%向上し、デュアルエアバッグも装備されました。

また、これはGMのラインナップの中で初めてデイタイムランニングライトを標準装備したモデルでもありました。1998年にジオブランドが廃止された後、メトロは1999年からはシボレーブランドでの販売に移行しましたが、モデル自体は2代目のままでバッジのみが変更されました。

生産は2001年に終了し、以降は同クラスの代替車両としてGM大宇製の「アベオ」が登場しました。メトロはその特徴やデザイン、機能性により、多くのファンに支持され、歴史に名を刻む存在として位置づけられています。

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