ジパング (漫画)の登場人物一覧

ジパング登場人物詳細解説

かわぐちかいじの漫画『ジパング』に登場する主要キャラクターについて、詳細な解説を以下に記します。

主人公

角松洋介

海上自衛隊のイージス艦「みらい」の副長。エクアドル沖での演習中にタイムスリップし、第二次世界大戦下の太平洋に迷い込む。人命尊重を第一とする信念を持つが、それが歴史改変を企む草加拓海との対立を生む。冷静沈着な判断力とリーダーシップで、みらいの乗組員をまとめ、数々の危機を乗り越える。しかし、その信念ゆえに、時に苦渋の決断を迫られる。

草加拓海

大日本帝国海軍の通信参謀。ミッドウェー海戦で戦死するはずだったが、みらいに救助される。未来の情報を知ったことで、日本を敗戦から救い、新たな国「ジパング」を創ろうと決意する。そのためには手段を選ばない冷酷さを持つが、角松の人間性には一目置いている。歴史改変のため、大胆な戦略と行動力で暗躍する。

海上自衛隊・イージス艦みらいクルー

タイムスリップした「みらい」の乗組員たち。当初は組織力があったものの、草加の登場や角松への不満から「角松派」と「菊池派」に分裂。その後、草加が共通の敵となったことで再び結束する。

梅津三郎

「みらい」の艦長。温和な性格で決断力に欠ける面もあるが、部下の命を第一に考える。専守防衛を貫き、自衛官としての職務を全うしようとする。しかし、歴史改変の波に翻弄され、苦悩する。

菊池雅行

砲雷長。角松とは防衛大学校からの同期。冷静沈着で有能だが、角松の甘さに不満を抱き、草加の計画に賛同する。クーデターを起こし「みらい」を掌握するも、最終的には角松と協力関係に戻る。

尾栗康平

航海長。角松、菊池とは防大からの同期。気さくで部下からの信頼も厚い。艦内の潤滑油的な存在であり、角松を支える。大和の航行を阻止するために出撃し、戦死。

青梅鷹志

砲雷科員。CICでのオペレーター担当。「CICの主」と呼ばれ、みらいの戦闘を支える。大和との戦闘で戦死。

麻生保

船務科掌帆長。部下思いで人情味あふれる性格。角松を支持し、クーデター後も行動を共にする。大和との最終決戦で重要な決断を迫られる。

桃井佐知子

衛生科衛生士。みらいの紅一点。物語終盤は内地にて菊池と行動。

佐竹守

飛行科パイロット。小笠原での偵察活動中に部下を失ったことを悔やみ、ニューギニアからの撤退支援作戦中に特攻し、みらいを救う。

大日本帝国海軍

山本五十六

連合艦隊司令長官。みらいと遭遇し、その存在に興味を持つ。草加を信頼しつつも、みらいの信念を理解しようとする。

滝栄一郎

軍令部参謀。草加とは海軍兵学校の同期。当初はみらいを危険視するが、後に草加の計画に賛同し、協力する。

如月克己

上海陸戦隊連絡将校。米内の特命を受け、角松と共に草加を追う。冷静沈着で任務遂行のためには手段を選ばない。

アメリカ合衆国海軍

クリス・エバンス

ガトー級潜水艦「ガードフィッシュ」艦長。みらいに最初に遭遇し、攻撃を仕掛ける。

サミュエル・D・ハットン

空母「ワスプ」に所属する航空隊隊長。みらいとの戦闘で多くの部下を失い、自身も戦死。

ウィリアム・テイラー

戦艦「ノースカロライナ」副長。アリューシャンでみらいと交戦し、捕虜となる。

フランクリン・D・ルーズベルト

アメリカ大統領。みらいと大和に搭載された原爆の存在を知り、拿捕を命じる。

ハリー・カーネル

海軍作戦部将校。ルーズベルトの特命を受け、みらいと草加を追う。大戦終結後も、その動向を監視し続ける。

その他

吉村次郎

元満鉄調査部員。草加の同志として、歴史改変に協力する。

石原莞爾

陸軍中将。草加の計画に賛同し、原爆製造に関わる。

木戸幸一

内大臣。みらいの資料室で日本の敗北を知り、終戦工作を行う。

これらのキャラクターたちが織りなす人間ドラマと、歴史のifを描いた『ジパング』は、単なるSF戦記ではなく、歴史、戦争、そして人間の倫理について深く考えさせられる作品です。

もう一度検索