ジブチ・エチオピア鉄道

ジブチ・エチオピア鉄道の概要

ジブチ・エチオピア鉄道（Ethio-Djibouti Railways）は、エチオピアの首都アディスアベバとジブチの都市ジブチ市を結ぶ全長781kmの鉄道路線です。この鉄道は1000mmの狭軌で運行されており、ジブチ・エチオピア鉄道会社によって運営されています。会社の本部はエチオピアのディレ・ダワにありますが、ジブチ政府とエチオピア政府が共同で運営しているわけではありません。運営体制としては、両国の運輸系閣僚が会長と副会長を兼任しています。

この鉄道は、エチオピアが内陸国となって以来、貿易の95%以上を支える重要な生命線であり、同時にジブチの国家収入にとっても大きな役割を果たしています。

歴史的背景

ジブチ・エチオピア鉄道の起源は19世紀末に遡ります。エチオピア皇帝メネリク2世によって近代化の一環としてこの鉄道が計画されました。1894年にエチオピア王立鉄道会社により建設が始まり、1901年7月にはジブチ市とディレ・ダワ間で営業運転がスタートしました。しかし、1906年に王立鉄道会社は一度破産し、その後1908年にメネリク2世がフランスとの合弁会社に資産を譲渡し、鉄道の延伸に合意しました。翌年にはインドシナ銀行もこのプロジェクトに参加しました。

1917年にはこの鉄道が全通し、エチオピア帝国の象徴ともなりました。1977年には、ジブチの独立を受けてフランスから経営権が譲渡され、現在のジブチ・エチオピア鉄道会社が設立されました。

近代化と改修工事

2013年からは、中国企業による大規模な修繕工事が開始され、アフリカ初の電気鉄道を目指して全線の電化が進められました。この工事の報道によると、当時の状況はほとんどの区間で運行が行われておらず、ジブチとアディスアベバ間の貨物輸送はすべて道路に依存している状態でした。工事完成の予定は2015年で、所要時間が7-8時間に短縮される見込みでしたが、実際には2016年10月5日に完工が報告され、所要時間は約10時間であるとされました。

2017年1月には、ジブチでの工事完成を祝う式典が行われました。このプロジェクトの総工費は約34億ドルで、中国の金融機関である中国輸出入銀行がその7割を出資しました。また、工事は中国中鉄と中国土木工程集団（CCECC）が担当しました。この鉄道は「一帯一路」構想の一環としても位置づけられています。

現在の状況

現在のところ、ジブチ・エチオピア鉄道には一部区間で運行が行われておらず、特にジブチからアディスアベバ間の運行は停止している状態です。これにより、貿易や物流に影響を及ぼし、両国の経済に対してもさまざまな課題をもたらしています。

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ジブチ・エチオピア鉄道は単なる交通機関ではなく、歴史的背景や国際的な経済の文脈においても非常に重要な役割を果たしています。そのため、今後の運営・管理がますます注視されることが予想されます。

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