ジミー・ヤン

ジミー・ヤン：国際色豊かなキャリアを誇るプロレスラー

ジミー・ヤン（本名：ジェームス・ユン）は、1981年5月13日生まれの韓国系アメリカ人プロレスラーです。カリフォルニア州ハリウッド出身で、華麗な空中技とキレのあるキックを武器に、世界各地のプロレス団体で活躍しました。

WCWからWWE、そして全日本プロレスへ

彼のキャリアはWCWパワープラントでスタート。WCW所属時にはカズ・ハヤシ、ジェイミー・サンと共にヤング・ドラゴンズを結成し、注目を浴びました。その後、WWEに移籍するも解雇を経験。しかし、この経験が彼のプロレス人生に大きな転機をもたらします。

WWE解雇後、ジミー・ヤンは全日本プロレスに参戦。当時、選手層が薄かったジュニアヘビー級戦線において、その卓越した技と個性で大きな存在感を示し、ジュニアヘビー級を盛り上げました。彼の活躍は、全日本プロレスのファンに深い印象を与えました。

WWE再加入と「アキオ」時代

その後、再びWWEと契約。リングネームを「アキオ（明夫）」に変更し、日本人ギミックで登場します。TAJIRIの用心棒としてケイジ・サコダと共に「兄弟」というヒールタッグチームを結成。有楽町の飲み屋でTAJIRIと出会ったという設定で、独特のキャラクターを演じ切りました。

アキオ時代は、道着を身につけ、無口なキャラクターで、アジア的イメージを強調したパフォーマンスが特徴的でした。日本語をほとんど話せない彼にとって、このギミックは言語の壁を越える、巧妙な演出でもありました。しかし、2005年には再びWWEを解雇されてしまいます。この解雇は、ファンにも大きな衝撃を与え、納得のいかない結果となりました。

WWE解雇後の活躍とROH参戦

WWE解雇後、ジミー・ヤンはWWEへの復帰を目指し、アメリカでの活動に集中。ROH（Ring of Honor）を主戦場としつつ、ハッスルマニアにも出場するなど、精力的に活動しました。そして、かつてチームを組んだカズ・ハヤシとのタッグマッチで、ジミー・ヤンとしてリングに帰ってきました。

「ジミー・ワン・ヤン」としてのWWE復帰とその後

2006年、彼は「ジミー・ワン・ヤン」という新たなリングネームでWWEに復帰。南部で育った陽気なレッドネックという設定で、黄色人種でありながら南部男を演じきるという、ユニークなキャラクターを確立しました。

復帰当初は苦戦しましたが、持ち前の素早い動きと空中技で勝利を重ね、一定の人気を獲得。クルーザー級部門のトップ選手として活躍し、マネージャー兼タッグパートナーであるトリー・ウィルソンと共に、ケニー・ダイクストラ&ヴィクトリア組と抗争を繰り広げました。その後は主にジョバーとして、若手レスラーの育成にも貢献しました。2010年には再びWWEを解雇され、その後はセミリタイア状態となりました。

全日本プロレスへの凱旋と近年の活動

2010年には、古巣である全日本プロレスのジュニアヘビー級リーグ戦に参戦。リーグ戦優勝を果たすなど、その実力を改めて証明しました。近年は来日が途絶えていましたが、2018年には東京愚連隊興行、2023年にはプロレスリング・ノア後楽園大会に娘のジャジー・ヤンと共に参戦するなど、現在もプロレス界で活動を続けています。

得意技

ジミー・ヤンの得意技は、華麗な空中技と多彩なキック技です。

ヤンタイム（アメリカ）/ムーンサルト・アタック: 後方宙返りから相手へ体当たりし、そのままフォールに持ち込む技。
ヤンタイム（日本）/アキオタイム: 後方宙返りからの錐揉み回転で相手をフォールする技。
ムーンサルト・キック（サマーソルト・キック）: コーナーにもたれかかった相手の胸元を蹴って回転する高度な技。
ロー・キック: スピーディーで軽快なローキック。
ジャンピング式バズソー・キック: ジャンプからの回し蹴り。
ジャンピング・ニールキック: ジャンプからの後ろ回し蹴り。

その他、様々なキック技を駆使し、相手を翻弄する技量を持つレスラーです。

タイトル歴

全日本プロレス 世界最強ジュニアタッグリーグ戦 優勝（2002年、パートナー：カズ・ハヤシ）
全日本プロレス ジュニアヘビー級リーグ戦 優勝（2010年）
* 中央アメリカミドル級王座：1回

ジミー・ヤンは、その国際色豊かなキャリア、多彩なリングネーム、そして個性的なキャラクターで、多くのプロレスファンを魅了し続けているレスラーです。彼の今後の活躍にも期待が高まります。

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