ジャウメ2世 (マヨルカ王)

ジャウメ2世：マヨルカ王国の再建者

ジャウメ2世（1243年5月31日 - 1311年5月29日）は、マヨルカ王として、またモンペリエの領主として、13世紀後半のバレアレス諸島に重要な足跡を残しました。アラゴン王ハイメ1世と、ハンガリー王アンドラーシュ2世の王女ビオランテの間に生まれた彼は、激動の時代を生き抜き、マヨルカ王国の発展に尽力しました。

生涯

1276年、父ハイメ1世の死後、ジャウメ2世はバレアレス諸島の主要3島（マジョルカ島、イビサ島、フォルメンテーラ島）に加え、ルシヨン伯領、サルダーニャ伯領、モンペリエの統治権を継承しました。さらに、当時イスラム勢力下にあったメノルカ島からの貢納も獲得し、その勢力を拡大しました。

しかし、アラゴン王位を継承した兄ペドロ3世との関係は良好とは言えませんでした。マヨルカ王でありながらアラゴンの臣下という複雑な立場は、両者の対立を招きました。ジャウメ2世は、ローマ教皇マルティヌス4世や、姉イサベルの夫であるフランス王フィリップ3世と同盟を結び、ペドロ3世に対抗しましたが、1285年のフォルミーガス諸島の戦いで敗北。ペドロ3世はバレアレス諸島を征服し併合しましたが、その直後に死去。1295年、甥のハイメ2世によってバレアレス諸島はジャウメ2世に返還され、再びその統治下に戻りました。

王位返還後、ジャウメ2世は内政に力を注ぎました。荒廃した都市の再建、農業の奨励、防備の強化、そして経済の発展に貢献しました。彼の治世下で、マヨルカ王国は安定を取り戻し、繁栄を享受しました。

家族

1275年、ジャウメ2世はフォワ伯ロジェ4世の娘エスクララムンダ・ド・フォワと結婚し、4男2女をもうけました。

ジャウメ（1274年 - 1330年）
サンシュ1世（1276年 - 1324年） - マヨルカ王
フェラン（1278年 - 1316年） - マヨルカ王ジャウメ3世の父
エリサベ（1280年 - 1301年） - カスティーリャ摂政フアン・マヌエルと結婚
サンサ（1285年頃 - 1345年） - ナポリ王ロベルト1世と結婚
フェリプ（1288年頃 - 1340/43年） - マヨルカ摂政

1311年にジャウメ2世が死去すると、長男ジャウメは聖職者になっていたため、次男のサンチョ1世が王位を継承しました。

関連人物

* ラモン・リュイ - ジャウメ2世の時代に活躍した哲学者、神学者、作家。

ジャウメ2世は、その生涯を通じて、マヨルカ王国の安定と発展に貢献しました。内政手腕を発揮し、文化を奨励し、王国を繁栄に導いた彼の功績は、今日でも高く評価されています。

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