ジャック・C・ロビンソン (高速輸送艦)

ジャック・C・ロビンソン (USS Jack C. Robinson, DE-671/APD-72)

ジャック・C・ロビンソンは、第二次世界大戦中にアメリカ海軍で運用された高速輸送艦です。本艦は、勇敢な兵士ジャック・C・ロビンソン一等兵に敬意を表して命名されました。チャールズ・ローレンス級高速輸送艦の一隻として、戦時中の兵員輸送や哨戒任務などで活躍しました。

艦歴

ジャック・C・ロビンソンは、当初バックレイ級護衛駆逐艦としてペンシルベニア州ピッツバーグのドラボ社で起工されました。1944年1月8日には、ロビンソン一等兵の母親であるクレム・F・ロビンソン夫人によって命名、進水しました。その後、テキサス州オレンジのコンソリデーテッド・スチール社で艤装が行われました。

1944年6月27日、本艦はチャールズ・ローレンス級高速輸送艦として艦種変更され、APD-72という艦番号を与えられました。1945年2月2日には、W・W・ボウイ少佐の指揮下で就役しました。

第二次世界大戦

就役後、カリブ海での整調を経て、ジャック・C・ロビンソンは1945年3月31日にバージニア州ノーフォークを出航し、太平洋艦隊に合流しました。同年4月14日にカリフォルニア州サンディエゴに到着し、その後真珠湾で1ヶ月間の集中訓練を実施しました。

5月21日にはウルシー環礁に到着し、前線への大規模補給部隊に対する護衛艦としての任務を開始しました。1945年6月には沖縄に移動し、沖縄戦において沖合での対潜哨戒支援に従事しました。7月17日には沖縄を出航し、フィリピン諸島で同様の任務に就きました。

戦後

1945年8月15日に日本が降伏し、太平洋戦争が終結すると、ジャック・C・ロビンソンは日本の占領任務に当たる部隊を運ぶ船団の護衛任務に従事しました。1946年初めにはパナマ運河を経由してノーフォークに帰還しました。

カリブ海での訓練後、ジャック・C・ロビンソンは1946年5月24日にブルックリンのニューヨーク海軍造船所に到着し、広範囲にわたる修理が行われました。その後、不活性化のためフロリダ州グリーンケーヴスプリングスに牽引され、1946年10月30日に到着しました。

ジャック・C・ロビンソンは1946年12月13日にグリーンケーヴスプリングスで退役し、セントジョンズ川の大西洋予備役艦隊フロリダ・グループで保管されました。その後、大西洋予備役艦隊テキサス・グループに移動され、不活性状態のまま20年間保管されました。そして、1966年12月1日に除籍されました。

ジャック・C・ロビンソンは、第二次世界大戦の沖縄戦における功績により、1個の従軍星章を受章しました。

チリ海軍へ

ジャック・C・ロビンソンは、防衛援助計画に基づきチリに売却されました。チリ海軍ではオレーラ (ACH Orella, APD-27) と改名され、就役しました。その後、スクラップとして廃棄されました。

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