ジャンダルム (競走馬)

ジャンダルム（2015年4月25日生まれ）は、アメリカ合衆国で生産された競走馬です。数々の重賞競走で活躍し、2022年のスプリンターズステークス（GI）を制覇するなど、3つの重賞タイトルを獲得しました。その輝かしい経歴と、母である名牝ビリーヴとのつながりを紐解いていきましょう。

ジャンダルムの母ビリーヴは、1998年に北海道で生まれました。父は日本の代表的な種牡馬であるサンデーサイレンスです。セレクトセールで落札され、競走馬としてデビュー。2歳時には新馬戦を勝利するものの、その後は苦戦が続きました。しかし3歳で再び勝利を収め、オープン競走への昇格を果たします。2002年にはセントウルステークス（GIII）で重賞初制覇。続くスプリンターズステークス（GI）では、GI初挑戦ながら見事優勝。牝馬として牡馬を相手に勝利を収めたことは、大きな話題を呼びました。さらに翌2003年には高松宮記念（GI）を制し、スプリントGI連勝という快挙を達成。その後も重賞競走で活躍を続け、函館スプリントステークス（GIII）を制するなど、重賞4勝を挙げました。

引退後は繁殖牝馬となり、アメリカ合衆国で繋養されました。その間に数々の活躍馬を産み出しました。その中でも特に有名なのは、安田記念（GI）で3着に入ったファリダットと、アイビスサマーダッシュ（GIII）で2着に入ったフィドゥーシアです。これらの活躍馬を生み出したビリーヴは、2014年に北アメリカのトップサイアーであるキトゥンズジョイと交配。そして2015年、ジャンダルムが誕生しました。

ジャンダルムは、ノースヒルズの所有馬として、日本で競走馬としての道を歩み始めます。1歳時には日本に渡り、育成牧場で大切に育てられました。優れたフットワーク、充実した馬体、そして穏やかな性格と、将来を期待させる素質を備えていました。育成牧場の関係者からは、高い評価を受けていました。

2歳となった2017年、阪神競馬場での新馬戦でデビュー。武豊騎手を迎え、見事初勝利を飾ります。続くデイリー杯2歳ステークス（GII）では、イギリス人騎手アンドレア・アッゼニ騎手の騎乗で重賞初制覇を達成。2連勝で重賞タイトルを獲得しました。

そして2歳最後の挑戦として、ホープフルステークス（GI）に出走。タイムフライヤーに敗れ2着となりましたが、高い能力を証明しました。3歳シーズンは、クラシック路線に挑戦。皐月賞では9着、日本ダービーでは17着と結果を残せませんでしたが、その後はスプリント路線に転向し、徐々に実力を発揮し始めました。

4歳以降は、着実に勝利を重ねていきます。ニューイヤーステークスで復活勝利を挙げ、信越ステークスでは1400メートル戦で勝利を収めました。6歳時には春雷ステークスで圧勝。そして7歳を迎えた2022年、オーシャンステークス（GIII）で重賞制覇を果たすと、スプリンターズステークス（GI）では見事優勝。母ビリーヴに続く、母子制覇という偉業を達成しました。この勝利は、荻野極騎手にとってもGI初制覇となりました。その後、香港スプリントに出走しましたが、12着と敗れ、12月19日付で競走馬登録を抹消。引退後は種牡馬として新たな道を歩み始めました。

ジャンダルムの競走成績は、netkeiba.com、スポーツナビ、JBISサーチ、香港ジョッキークラブの情報を参照ください。ジャンダルムは、その血統、そして競走馬としての活躍から、日本の競馬史に名を刻んだ名馬と言えるでしょう。

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