ジャン＝イヴ・ティボーデ

ジャン＝イヴ・ティボーデ

ジャン＝イヴ・ティボーデ（Jean-Yves Thibaudet, 1961年9月7日 - ）は、フランス・リヨン出身のピアニストです。

経歴

5歳でピアノを始め、7歳で早くも公開演奏でデビューを果たしました。12歳でパリ国立高等音楽院に進学し、アルド・チッコリーニと、ラヴェルの友人であったリュセット・デカーヴに師事しました。3年後にはパリ音楽院の首席となり、18歳でニューヨーク青年演奏家オーディションで優勝、19歳で日本国際音楽コンクール第2位を受賞し、国際的な注目を集めました。現在はアメリカ合衆国で後進の指導にもあたっています。

演奏活動

ティボーデは、ヴィルトゥオーソの伝統を受け継ぐ、卓越した技巧を持つピアニストとして知られています。しかし、彼の演奏は単なる技巧の披露に終わることはありません。作曲家の意図を深く理解し、理想的な音響を実現するために、様々な奏法を駆使し、音色に細やかな配慮を重ねています。

彼のレパートリーは、ショパンやドビュッシー、ラヴェルといったフランスの伝統的なピアノ音楽にとどまらず、シューマン、リスト、ブラームス、ラフマニノフといった19世紀ロマン派の作曲家、さらにはショスタコーヴィチやメシアンといった近現代の作曲家の作品も得意としています。ヴォルフのリートの伴奏者としても活動しており、近年ではサティのピアノ曲全集を録音し、話題を呼びました。

また、近代フランス音楽の伝統を継承する一人として、ジャズにも強い関心を示しており、デューク・エリントン、ジョージ・ガーシュウィン、ビル・エヴァンスなどの作品も取り上げています。

ソリストとしての活動に加え、協奏曲や室内楽、歌曲の演奏・録音にも意欲的に取り組んでおり、ジョシュア・ベル、トゥルルス・モルク、ルネ・フレミング、チェチーリア・バルトリ、アンゲリカ・キルヒシュラーガー、ユーリ・バシュメットなど、著名な演奏家と共演しています。また、世界各地の著名なオーケストラとの共演も数多く重ねています。

人柄

その端正な容姿から、ファッション界からも注目されており、演奏会の衣装は、かつてはジャンニ・ヴェルサーチを愛用していましたが、現在はヴィヴィアン・ウエストウッドがデザインしたコスチュームを提供されています。若い頃から、タキシードの裾を短めに仕立て、赤い靴下をのぞかせるなど、独自のファッションセンスでも知られています。

また、代々伝わるブルゴーニュワインのコレクターであると同時に、絵画のコレクターでもあります。

ティボーデは同性愛者であることを公表しており、エイズ防止のキャンペーンなどにも積極的に参加しています。

外部リンク

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