日本国際音楽コンクール

日本国際音楽コンクール

日本国際音楽コンクールは、社団法人日本演奏連盟が主催した音楽コンクールです。1980年に第1回が開催されて以来、1995年まで足掛け16年にわたり、隔年で合計6回開催されました。国際的な規模で開催され、国内外から多くの若手演奏家が参加しましたが、1999年2月、公式には財源的な問題から、その歴史に幕を下ろすこととなりました。

このコンクールは、日本の音楽界における若手音楽家の登竜門の一つとして注目され、多くの才能ある演奏家がこの場でその実力を試しました。コンクールの模様は、NHKの教育テレビやFMラジオで一部抜粋して放送され、広く音楽ファンに届けられました。

コンクールの歴史と主な入賞者

第1回（1980年）：ピアノ部門が開催されました。この回は第1位の該当者がなく、ジャン＝イヴ・ティボーデが第2位に入賞しました。また、日本人では藤井一興が第4位（第3位該当者なし）、渡辺健二が第5位に入賞しています。
第2回（1983年）：ヴァイオリン部門とピアノ部門が開催されました。ヴァイオリン部門では漆原朝子が第1位、高田あずみが第4位に入賞。ピアノ部門では岡田博美が第1位、小川典子が第2位、ローラン・カバッソが第3位に入賞しました。
第3回（1986年）：ヴァイオリン部門とピアノ部門が開催されました。ヴァイオリン部門では戸田弥生が第3位に、ピアノ部門では田中修二が第3位に入賞しました。
第4回（1989年）：ヴァイオリン部門とピアノ部門が開催されました。この回から、主催団体に財団法人東京都文化振興会とKDD（現KDDI）が加わりました。ヴァイオリン部門では諏訪内晶子が第2位に、ピアノ部門では有森直樹が奨励賞を受賞しています。
第5回（1992年）：ヴァイオリン部門とピアノ部門が開催されました。ヴァイオリン部門では伊藤亮太郎が第4位に、ピアノ部門では及川浩治が第2位、江尻南美が第4位に入賞しました。
第6回（1995年）：ヴァイオリン部門とピアノ部門が開催されました。ヴァイオリン部門では二村英仁が第1位、大谷玲子が第4位に入賞し、杉浦美知が入賞を果たしました。

1995年の第6回を最後に、コンクールは中断され、1999年2月には正式に中止が決定されました。中止の理由は財源難とされています。

関連人物

第1回コンクールの会長を務めた江戸英雄氏は、後にサントリー音楽賞を受賞しています。

このコンクールは短命に終わりましたが、多くの日本人音楽家が上位入賞を果たし、その後の国際的な活躍の足がかりとなったケースも少なくありません。日本のクラシック音楽界において、一時期重要な役割を果たしたコンクールとして記憶されています。

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