ジュゼッペ・ガリバルディ級装甲巡洋艦

ジュゼッペ・ガリバルディ級装甲巡洋艦

ジュゼッペ・ガリバルディ級装甲巡洋艦は、イタリア海軍において二等戦艦として分類される艦級であり、国際的には装甲巡洋艦と認識されています。この艦級は、イタリア海軍にとって重要な役割を果たした艦艇であり、その設計は当時の軍艦の要件に応じたものでした。

設計の背景

本級は、他国の海軍がイタリア海軍よりも早く購入するという珍しい経緯をたどりました。これは、イタリアの造船所の育成を目的とした政策の影響によるもので、海外から発注を受け入れ、より良い艦を代艦として建造するという方針を取っていたためです。その結果、建造中にアルゼンチン海軍やスペイン海軍に売却され、5番艦がようやくイタリア海軍に渡ることになったというエピソードがあります。

艦形と仕様

設計は、前弩級戦艦「エマニュエレ・フィリベルト級」の型を小型化し、装甲厚を減少させつつ速力を向上させたもので、エドアルド・マスデアによって纏められました。船体は平甲板型で、艦首に鋭角な衝角があり、主砲として「アームストロング 1898年型 25.4cm（40口径）砲」を1基搭載しています。艦橋は箱型で、司令塔は下部に組み込まれ、2本の煙突が設けられています。さらに、後部甲板には20.3cm連装砲塔が1基配置され、総計で7基の副砲も搭載されています。これにより、攻撃能力は非常に高いものとなっていました。

武装の詳細

主砲「アームストロング 1898年型 25.4cm（40口径）砲」は、最大仰角20度で18,000mまでの射程を持ち、単装式砲塔に収められています。また、副砲として「アームストロング 1904年型 20.3cm（45口径）速射砲」を採用し、こちらも優れた射程能力を有しています。その他、対水雷艇用に7.6cm速射砲やオチキス社製の4.7cm機砲を装備し、各種の戦闘状況に対応できるよう設計されています。

防御性能

この艦級の防御力は非常に優れており、舷側装甲は中央部で150mmに達します。砲塔防御も前盾が150mmと厚く、全体的な防御構造は排水量の割に強固なものでした。これにより、戦闘時には敵の攻撃から艦を守る能力が向上しています。

派生型とその運命

アルゼンチン海軍に引き渡された艦艇は、主砲を統一された仕様に改造されています。一方、日本海軍に進水した「春日」と「日進」は、異なる主兵装を採用しており、それぞれの海軍の運用目的に応じた設計がなされています。

同型艦の一覧

• - イタリア海軍:

- ジュゼッペ・ガリバルディ
- ヴァレーゼ
- フランチェスコ・フェッルッチョ

• - アルゼンチン海軍:

- ガリバルディ
- サン・マルティン
- プエイレドン
- ヘネラル・ベルグラノ
- リヴァダヴィア
- モレノ

• - 日本海軍:

- 春日
- 日進

本級は、イタリア海軍の艦艇の中でも特異な位置を占め、他国に広がりを見せた重要な戦艦でした。そのバランスの取れた設計と防御力、武装は、近代海戦における戦闘能力を高める要素となっていました。

もう一度検索