ジュリー・アラール＝デキュジス

ジュリー・アラール＝デキュジス（Julie Halard-Decugis, 1970年9月10日 - ）は、フランス・ヴェルサイユ出身の元女子プロテニス選手です。右利きで、両手打ちのバックハンド・ストロークを武器に、WTAツアーでシングルス12勝、ダブルス15勝を挙げました。特に、2000年の全米オープン女子ダブルスでは、日本の杉山愛選手とペアを組み、見事優勝を果たしました。

7歳からテニスを始めたアラール＝デキュジスは、1986年に16歳でプロ入りを果たします。1989年からはアルノー・デキュジス氏の指導を受け、1995年に彼と結婚。以降は、既婚選手として「アラール」と夫の姓「デキュジス」を併用して活動しました。夫のアルノー・デキュジスは、黎明期の全仏選手権で活躍したマックス・デキュジスの遠縁にあたります。

1991年にプエルトリコの大会でシングルス初優勝を飾ると、1992年のウィンブルドンでは2回戦で当時世界ランキング1位だったアランチャ・サンチェス・ビカリオを破り、4回戦に進出。1993年の全豪オープンと1994年の全仏オープンでは、グランドスラムでベスト8入りを果たしました。

しかし、1996年7月のフェドカップ準決勝で、アランチャ・サンチェス・ビカリオとの対戦中に右手首の靱帯を断裂。この怪我により、1997年のシーズンは全休を余儀なくされました。リハビリ期間中には、美術のレッスンを受け、絵画の腕を磨いたそうです。1998年にはシングルスとダブルスでそれぞれ2勝を挙げ、見事ツアーに復帰しました。

アラール＝デキュジスは早くから日本を愛し、同じ1970年生まれの伊達公子選手と親友となりました。1996年に伊達選手が現役を引退した後、後輩の杉山愛選手とダブルス・パートナーを組み、息の合ったプレーで多くのファンを魅了しました。日本での試合では、1994年の「ニチレイ・レディース」でダブルス優勝、現役最後の年となった2000年には「ジャパン・オープン」で単複優勝を飾っています。

現役最後のシーズンとなった2000年、WTAツアーでシングルス2勝、ダブルス10勝という素晴らしい成績を残しました。そのうち6勝は杉山愛選手とのコンビによるもので、全米オープン女子ダブルス優勝はそのハイライトと言えるでしょう。2000年9月10日、アラール＝デキュジスと杉山のペアは、全米オープンの女子ダブルス決勝でカーラ・ブラック（ジンバブエ）とエレーナ・リホフツェワ（ロシア）組を6-0, 1-6, 6-1で破り、優勝を果たしました。日本人選手を含むペアがグランドスラムの女子ダブルス部門で優勝したのは、1975年ウィンブルドンで優勝した沢松和子とアン清村組以来、実に25年ぶりの快挙でした。この日は、アラール＝デキュジスの30歳の誕生日でもあり、喜びもひとしおだったことでしょう。

全米オープン後も、日本の「トヨタ・プリンセス・カップ」（ニチレイ・レディースは1997年からこの名称に変更）と「ジャパン・オープン」でダブルス優勝を果たし、ダブルス世界ランキング1位の座についたまま、現役を引退しました。

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