ジョインヴィレ

ブラジル、サンタ・カタリーナ州の都市ジョインヴィレ

ジョインヴィレは、ブラジル南部、サンタ・カタリーナ州北部に位置する都市です。2020年の人口は約59万人で、ドイツ系ブラジル人が多くを占めています。ドイツ文化が色濃く残る街並みや、活発な経済活動が特徴です。

歴史

ジョインヴィレの地には、元々グアラニー族が居住していました。1851年3月9日、ドイツ系とスイス系の移民によってジョインヴィレ市が建設されました。

この街は「ドイツ系ブラジル人の町」として知られていますが、その名前の由来はフランス語の「ジョアンヴィル（Joinville）」にあります。これは、かつてブラジル皇女フランシスカが、フランス王ルイ・フィリップの三男ジョアンヴィル公フランソワ・ドルレアンと結婚したことにちなんでいます。当初、市はドーナ・フランシスカ市と呼ばれていましたが、1851年に現在のジョインヴィレへと改名されました。

ジョアンヴィル公夫妻が実際にこの地を訪れることはありませんでしたが、ジョインヴィレの土地の一部は、フランス王家とブラジル皇家の結婚祝いとして贈られました。1870年頃には、夫妻の名前を冠した王宮も建てられました。

1851年、ジョアンヴィル公フランソワは財政難のため、南ブラジルの広大な土地をドイツ人執政官マティアス・シュローダーに売却しました。シュローダーは「ハンブルク移民協会」の一員として、ヨーロッパからの移民を積極的に奨励し、1851年には最初の移民団として118人のドイツ系とスイス系移民が、同年には74人のノルウェー系移民が到着しました。1900年代までに、移民協会は約3万人のドイツ系移民をジョインヴィレに送り込み、その役割を終えました。

経済

ジョインヴィレの経済は、製造業と商業が中心です。ソフトウェア大企業のダタスル（Datasul）をはじめ、電機製品、自動車部品、織物などの生産が盛んです。市内には空港があり、ブラジル南部の主要都市へのアクセスが可能です。また、約40キロ離れた場所にはサン・フランシスコ・ド・スル港があり、鉄道網も整備されています。

ジョインヴィレ都市圏の人口は約130万人で、州都フロリアノーポリスを上回り、州内最大です。ブラジル国内でも生活水準の高い都市の一つとして知られています。GDP規模はブラジル南部で3番目に大きく、1位はポルト・アレグレ、2位はクリチバです。

観光

ジョインヴィレの文化は、移民の出身地であるドイツの影響を強く受けています。建造物、郷土料理、祭り、そして地元住民の生活様式など、街の至る所にドイツ文化が息づいています。ジョインヴィレの人々は、ブラジルで「仕事中毒」として知られるほど勤勉であるという一面も持っています。

毎年7月には、世界有数のダンスフェスティバルであるジョインヴィレ・ダンス・フェスティバルが開催されます。また、ジョインヴィレは、ロシアのボリショイ・バレエ団付属学校がモスクワ以外に唯一存在する都市でもあります。

19世紀半ばに建てられた王宮は、現在ドイツ移民博物館として公開されており、当時の家具や衣服が保存されています。

スポーツ

ジョインヴィレECというサッカークラブが存在します。

交通

ジョインヴィレには、ジョインヴィレ・ラウロ・カルネイロ・デ・ロヨラ空港があります。また、BR-101という高速道路がジョインヴィレ市街を通り、リオデジャネイロ、クリチバ、フロリアノーポリスなどの主要都市を結んでいます。

姉妹都市

ジョインヴィレは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

鄭州市（中国）
チェサピーク（アメリカ合衆国）
スピシュスカー・ノヴァー・ヴェス（スロバキア）
ランゲンハーゲン（ドイツ）
ジョアンヴィル＝ル＝ポン（フランス）
シャフハウゼン（スイス）

出身者

ジョインヴィレ出身の著名人としては、以下の人物が挙げられます。

マウリシオ・グージェルミン（元F1レーサー）
アナ・クラウディア・ミシェルス（ファッションモデル）
ティアゴ・スプリッテル（プロバスケットボール選手）
ヴィトー・ミランダ（総合格闘家）
ウィリアン・ポッピ（サッカー選手）

その他

サンタ・カタリーナ州立大学ジョインヴィレ分校や、カトリック教会のジョインヴィレ司教座、ルーテル教会などが存在します。

外部リンク

http://www.joinville.com (公式サイト - ポルトガル語/英語)
http://www.joinvilleonline.com.br (ジョインヴィレに関するリンク集 - ポルトガル語)
http://www.joinville.sc.gov.br (地方自治体 - ポルトガル語)

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