ジョサイア・バージェス

ジョサイア・バージェス（Josiah Burgess、1689年頃 - 1719年）は、18世紀初頭、カリブ海を舞台に活動したイギリス出身の海賊です。彼の名前は、トマス、ジョゼフ、ジョシアスといった異なる表記でも見られます。特に、バハマのニュープロビデンス島、中でも海賊たちの主要な拠点となっていたナッソーにおいて、影響力を持つ一人として知られていました。

略歴

バージェスは1716年9月頃には、パナマ沖の海域で4隻からなる船団を率いて活動していた記録があります。ある時、イギリス海軍の軍艦から攻撃を受けた際、兵士が飲料水を確保している隙を突いて巧みにボートを奪い、その危地を脱するなど、機知に富んだ一面も垣間見せています。

1717年頃になると、ナッソーにおいてベンジャミン・ホーニゴールドやヘンリー・ジェニングスといった著名な海賊たちと肩を並べる有力者となっていました。この年、イギリス国王ジョージ1世により海賊恩赦の布告が発せられ、翌1718年にはこれを徹底させるべく、イギリス海軍のフリゲート艦HMSフェニックスがカリブ海へと派遣されました。フェニックス号のピアース艦長は、悪名高き海賊チャールズ・ヴェインの旗艦ラーク号を捕獲します。

これに対し、ナッソーの有力者であったバージェスやホーニゴールドらはピアース艦長に対し、ヴェインの釈放を求める説得を行いました。彼らは、もしヴェインが処刑されれば住民が動揺することを懸念し、またヴェインが王の慈悲により釈放されることが、他の海賊たちが恩赦を受け入れる上で大きな後押しとなるだろうと主張したのです。この働きかけにより、ヴェインやエドワード・イングランド（後の「イングランド船長」）を含む14名の海賊が釈放されることになりました。

この出来事の後、海賊たちの間で今後の身の振り方についての議論が交わされ、最終的にバージェスやホーニゴールドをはじめとする200名を超える海賊たちがフェニックス号に出頭し、王の恩赦を受け入れて降伏しました。降伏後、バージェスはスループ船プロビデンス号を手にし、カロライナ植民地へと向かいます。そこで彼は、チャールズタウンを封鎖すべく現れた高名な海賊エドワード・ティーチ、通称「黒ひげ」と遭遇しているのです。二人はいくつかの交易を行った後、それぞれの進路へと別れ、バージェスはジャマイカを目指しました。

1718年7月、バハマの新たな総督としてウッズ・ロジャーズがナッソーに着任した際、バージェスは正式に彼のもとに投降しました。ロジャーズ総督は、バージェスを含む恩赦を受けた元海賊船長たちの経験や能力を有効活用します。彼らに私掠船の指揮を任せ、島の防衛や合法的な交易に従事させました。バージェスはさらに市民軍の士官にも任命され、かつての仲間の海賊でありながら非情な行いで摘発されたジョン・オーガーとその一味の裁判においては、裁判官として法廷に立つという異例の役目を担っています。

しかし、その平穏な生活は長く続きませんでした。1719年、バージェスが乗る船がアバコ島のグリーンタートルキー付近の危険な岩礁に乗り上げ、大破する事故が発生したのです。かつてジョン・オーガーの一味であったが、ロジャーズ総督によって恩赦を与えられていた若いジョージ・ラウンズヴィルが、この事故で海に投げ出されたバージェスを救助しようと決死の覚悟で海中に飛び込みました。しかし、無情にもその試みは報われず、バージェスとラウンズヴィルの両名はこの事故で命を落としました。

創作作品での登場

彼の生涯は後世の創作作品にも描かれています。例えば、人気ゲーム『アサシンクリード IV ブラックフラッグ』ではナッソーの海賊の一人として登場しますが、史実とは異なりベンジャミン・ホーニゴールドらと共にテンプル騎士団側につくという設定が加えられています。

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