ジョニー広瀬

ジョニー広瀬

ジョニー 広瀬（ジョニー ひろせ、本名：広瀬 良雄）氏は、1948年3月22日に大阪府大阪市で生を受け、2023年8月26日に75歳でその生涯を閉じた、日本を代表するマジシャン（奇術師）の一人です。吉本興業に所属し、国内外の舞台で活躍しました。

マジシャンとしての活動

ジョニー広瀬氏は、主にステージマジックやクロースアップ・マジックの分野でその才能を発揮しました。派手な大道具を用いたイリュージョンよりも、卓越した手の技、いわゆるスライハンドを駆使した演技を得意とし、多くの観客を魅了しました。数々の独創的なオリジナルマジックを生み出し、その評価は国内の劇場やテレビにとどまらず、海外にも広がり、世界中のマジックファンから支持を集めました。妻である霞氏と共に「ジョニー広瀬&霞」としてユニットを組み、活動を行うこともありました。また、マジックショップのディーラーを務めるなど、奇術界の様々な側面に携わりました。

彼の弟子には、マジシャンの瀧川一紀氏がいます。また、毎日放送の元アナウンサーで、後に大阪市長も務めた平松邦夫氏は、ジョニー氏の一番弟子として「ジャニー平松」の名で活動していました。

歌手活動

マジシャンとしての顔に加え、ジョニー氏は歌手としても活動していました。1967年にミノルフォンレコードから発売された楽曲『太陽に抱かれたい』（作詞：幸田栄、作曲：遠藤実）は、その代表曲として知られています。この曲は、後にTOKYO FMの人気番組『赤坂泰彦のミリオンナイツ』内のコーナー「うさんくさいポップス」で取り上げられたことをきっかけに、大きな話題を呼びました。『山下達郎のサンデー・ソングブック』で紹介されることもありました。ただし、1999年に発売されたコンピレーションアルバム『幻の名盤解放箱』のブックレットには、関西に同名の芸人が存在するが別人らしい、との記述もあり、その背景は定かではありません。

略歴

高校時代に駒田忍氏（ジミー忍）との出会いが、ジョニー氏がマジシャンの道を志す契機となりました。1966年には上京してジミー氏の内弟子となりますが、わずか3ヶ月ほどで大阪に戻らざるを得ませんでした。帰阪後は、百貨店の奇術売り場でアルバイトをしながら技を磨きました。1969年7月に東京で開催された日本奇術連盟発表会では、将来スピリット百瀬氏やMr.マリック氏となる大嶽重幸氏、松尾昭氏らと共に紹介され、以降、彼らとは長く良きライバル関係を築いていきました。

1973年には、奇術売り場の常連客の要望に応える形で、マジッククラブ「SMC（スプレンディッド・マジシャンズ・クラブ）」を設立します。その後、日本奇術連盟を退会し、1977年4月には妻・霞氏と共にマジックユニット「ジョニー広瀬＆霞」を結成しました。さらに、大阪ミナミに本格的なマジック専用ライブハウス「マジックキャッスル」をオープンさせますが、運営による身体への負担が重なり、1978年晩秋に肺結核を患い、約5ヶ月の入院を余儀なくされました。

1979年に舞台に復帰し、和光プロダクションに所属。以降はマジックショーへの出演を中心とした活動を展開しました。1987年に吉本興業に移籍し、翌1988年に和光プロを退社します。1991年には、なんばグランド花月の所属マジシャン第1号となり、2008年まで長きにわたり定期的に出演しました。2006年には、アメリカ・ニューヨーク州バッファローで開催された権威あるクロースアップマジックのコンベンション「FFFF」に出演し、紙幣やカードを使った巧みなマジックで海外の観客をも魅了しました。

2008年3月頃には脳梗塞で入院しましたが、懸命なリハビリを経て回復。2011年10月23日には京橋花月でのイベントで舞台復帰を果たしました。その後も、なんばグランド花月などで吉本新喜劇に出演するなど、活動を続けました。

2022年には、マジシャンを志した経緯やマジック解説などを収めた著書『ジョニー広瀬 奇術人生55年』を出版し、その半生を振り返りました。

2023年8月26日、白血病のため大阪市内の病院で逝去。75歳でした。

主な出演番組

ナイトinナイト（朝日放送テレビ、1989年）
板東・八方ヨジキンTV（関西テレビ放送、1996年4月 - 1998年9月）
カジノザウルス（関西テレビ放送、1996年7月 - 1997年3月）

外部リンク

ジョニー広瀬＆霞 - 吉本興業

もう一度検索