ジョハル・ドゥダエフ大隊

ジョハル・ドゥダエフ国際平和維持大隊とは

ジョハル・ドゥダエフ国際平和維持大隊は、チェチェン・イチケリア共和国の初代大統領ジョハル・ドゥダエフに敬意を表して名付けられた、チェチェン人を中心とする義勇兵部隊です。この部隊は、主に第一次および第二次チェチェン紛争でイチケリア共和国側として戦った経験を持つチェチェン人義勇兵で構成されています。2015年2月1日以降は、初代指導者イサ・ムナエフがウクライナ東部デバルツェボでの戦闘で戦死した後、アダム・オスマエフが指揮を執っています。

ウクライナには、このジョハル・ドゥダエフ大隊の他に、シェイク・マンスール大隊というもう一つのチェチェン義勇兵大隊が存在します。

歴史

ジョハル・ドゥダエフ大隊は、2014年3月初旬にデンマークで創設されました。デンマークには、ロシアの圧政を逃れ、第二次チェチェン紛争後に移住を余儀なくされた多くのチェチェン人が居住していました。この大隊の設立は、2006年にデンマークで設立された、ヨーロッパのコーカサス諸国からの政治移民による自由コーカサス団体の活動が背景にあります。

大隊の創設者であり初代指導者であったイサ・ムナエフは、1999年から2000年にかけてのグロズヌイの戦いにおいて、イチケリアのアスラン・マスカハドフ大統領からチェチェンの首都防衛を担う軍事司令官に任命されました。この戦いで、彼は市街戦において、地雷、車爆弾、待ち伏せ攻撃などの様々な戦術を駆使しました。

大隊の構成

ウクライナへのロシアの侵攻に対抗するため、300人以上の義勇兵がこの大隊に加わることを希望しました。大隊の構成員はチェチェン人、グルジア人、イングーシ人、アゼルバイジャン人、ウクライナ人、チェルケス人など多様な民族で構成されており、ヨーロッパ諸国からの義勇兵も参加しています。

戦争への参加

チェチェンの専門家たちは、ウクライナ東部での戦闘に参加し、若い指揮官の訓練を行っています。

2022年のロシアによるウクライナ侵攻では、ジョハル・ドゥダエフ大隊はウクライナの防衛に参加し、キーウ州でロシア軍やロシアのチェチェン民兵組織カディロフツィと戦いました。その後、部隊は北東部のハルキウ州（ハルキウ、イジューム）や東部のドネツィク州（バフムート）の防衛にも貢献しました。

有名なメンバー

İsa Sadıqov - ジョハル・ドゥダエフ大隊の参謀長。アゼルバイジャン軍の大佐であり、アゼルバイジャン国防副大臣（1993～1995年）を務めた経験を持つ。アゼルバイジャン士官連合の元代表でもあり、母国から指名手配されています。
セルゲイ・メルニコフ - アメリカ市民権を持つ写真家で、イチケリアの英雄勲章を授与されています。
Nureddin Ismailov - カラバフ戦争中に「Boz Qurd」（灰色の狼）分隊を指揮していました。
アミーナ・オクエバ - 本名はナタリア・カミンスカヤまたはアミーナ・ムスタフィノバ。アダム・オスマエフの妻であり、ジョハル・ドゥダエフ大隊の報道官を務めていました。

関連項目

カディロフツィ
シェイク・マンスール大隊

ジョハル・ドゥダエフ大隊は、チェチェン独立の理念を掲げ、ウクライナの自由のために戦い続ける義勇兵たちの象徴となっています。彼らの戦いは、紛争地における国際的な連携と個人の勇気を物語るものです。

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