ジョルジュ・ポンピドゥー

ジョルジュ・ジャン・レイモン・ポンピドゥー（1911年7月5日 - 1974年4月2日）は、フランスの政治家で、シャルル・ド・ゴール政権下でフランスの首相を務め、その後第19代大統領となりました。彼は日本のメディアでは「ポンピドー」として知られ、時には「ポンピドゥ」や「ポンピドウ」と表記されることもあります。

生涯

ポンピドゥーは、フランスのカンタル県モンブディフに教育者の家庭に生まれました。彼はパリの名門校ルイ・ル・グラン校で教育を受け、その後1931年にパリの高等師範学校に進学。1934年には文学のアグレガシオン（教師資格）を取得しています。卒業後はマルセイユで教師を務めた後、パリのリセ・アンリ4世校でも教えることになりました。

第二次世界大戦中には対独レジスタンス運動に参加し、戦後はシャルル・ド・ゴール将軍の政府で官房長官として活動しました。その後、1954年から北部鉄道の取締役に就任し、1958年までロスチャイルド銀行で頭取をつとめました。1958年、ド・ゴールが政界に復帰すると、ポンピドゥーも彼の下で官房長官としての役割を果たしました。そして、1962年から1968年までフランス首相として政務を担当しました。

1969年、大統領選挙に出馬し、58.22％の得票で当選。ド・ゴールの後を継いで大統領となると、彼は「連続と開放」との政策を掲げ、外交面ではイギリスのEC（欧州共同体）加盟を支持する姿勢を見せました。イギリスはこれにより1973年にEC加盟を果たしました。

業績

ポンピドゥーは、その大統領としての任期中、現代芸術への理解と支持を深め、特にパリ4区に設立されたポンピドゥー・センターの創設に尽力しました。この文化施設は、彼が提唱した計画に基づき、現代アートや音楽、映画の発展に寄与する重要な拠点となっています。

また、彼の在任中には航空宇宙産業にも力を入れました。彼はアメリカのリチャード・ニクソン大統領に直接交渉し、日本とアメリカの企業が共同で民間航空機用のエンジンCFM56を開発するための合弁企業CFMインターナショナルを設立させました。このプロジェクトは、フランスが民間航空機市場で一躍知られる存在となる礎を築きました。

ポンピドゥーは1974年に白血病により死去しましたが、彼の残した業績はフランスの文化的な景観や航空宇宙産業の発展に中で重要な役割を果たし続けています。22年間の政界での実績は、フランスの歴史に名を刻むものとなっています。彼にまつわる記念施設や展示は、今でも多くの人々に親しまれています。

もう一度検索