ジョン・アタナソフ

ジョン・ヴィンセント・アタナソフの生涯と業績

ジョン・ヴィンセント・アタナソフ（John Vincent Atanasoff、1903年10月4日 - 1995年6月15日）は、ブルガリアの血筋を引くアメリカの物理学者であり、デジタルコンピュータの開発において重要な役割を果たしました。アタナソフは、彼が発明したアタナソフ＆ベリーコンピュータ（ABC）によって、コンピュータの父と称されています。このコンピュータは、後に表示されたENIACとの特許紛争において、その先進性が認識されることになります。

学生時代とキャリア初期

アタナソフは、ブルガリア人移民の家に生まれ育ち、フロリダ州ブリュースターで育ちました。9歳で計算尺を使いこなし、優れた学業成績を収め、1925年にフロリダ大学から電気工学の学士号を取得しました。続いてアイオワ州立大学で数学の修士号を取得し、ウィスコンシン大学マディソン校で理論物理学の博士号を取得。学位論文では「ヘリウムの誘電率」をテーマにしました。その後、アイオワ州立大学の助教授として教鞭を執ります。

コンピュータ開発

アタナソフは、在学中に扱いにくい機械式計算機に不満を持ち、より効率的な方法を模索した結果、1937年から1938年にかけてアタナソフ＆ベリーコンピュータの開発を行いました。93439年には、650ドルの資金を得て、院生のクリフォード・ベリーとともに試作品を完成させます。ABCは二進記数法とブール論理を基に設計され、29次線形連立方程式を解くために作られました。真空管を用いることで計算速度を向上させ、メモリにはコンデンサを使用していました。

特許紛争とその後

1940年12月、アタナソフはジョン・モークリーと出会い、ABCに関する情報を共有します。その後、モークリーはアタナソフの研究を盗用し、ENIAC開発に着手。アタナソフは、海軍の研究所での勤務を経て、特許出願を試みるものの、この手続きは滞ります。ENIACに関する特許が1946年に申請され、一部の特許権が1951年に売却される中、1985年にブルガリアから勲章を受け取るなど、戦後もアタナソフの名前は記憶され続けました。

晩年と栄誉

アタナソフは1995年に91歳で亡くなりましたが、彼の功績は色々な形で評価されています。アタナソフの名を冠した賞や教育機関が設立され、彼の業績は後世に引き継がれています。特に、アメリカ国家技術賞やブルガリアからの勲章、アイオワ州の発明家殿堂への入選など、数々の名誉を受けています。また、南極海のサウス・シェトランド諸島には「アタナソフ峰」と名付けられた山も存在します。

まとめ

ジョン・ヴィンセント・アタナソフは、デジタルコンピュータの先駆者としてその業績が広く認識されています。彼の開発したコンピュータが、現代の情報技術の基盤を築く一因となったことは間違いありません。彼の生涯にわたる努力と革新は、今もなお我々の社会に影響を与え続けています。

もう一度検索