ジョヴァンニ・アントニオ・オルシーニ・デル・バルツォ

ジョヴァンニ・アントニオ・オルシーニ・デル・バルツォ（1401年9月9日 - 1463年11月15日）は、南イタリアのナポリ王国において、ターラント公、バーリ公爵などの称号を持つ有力な貴族であり、卓越したコンドッティエーレ（傭兵隊長）でもありました。彼は、ターラント公ライモンド・オルシーニ・デル・バルツォとレッチェ女伯マリー・ダンギャンの長男として生まれました。

1406年に父が亡くなると、父と不仲であったナポリ王ラディズラーオ1世は、未亡人となった母マリーを妃に迎え入れました。これにより、両親の所領はすべて王の所有となりました。しかし、ラディズラーオ1世の後を継いだジョヴァンナ2世女王は、初めターラント公領を再婚相手のラ・マルシュ伯ジャック2世・ド・ブルボンに譲渡しましたが、後に彼を追放し、1421年5月4日にジョヴァンニ・アントニオにターラント公領を与えました。この受領によって、ジョヴァンニ・アントニオはナポリ王国で最も影響力のある諸侯の一人となりました。

ジョヴァンナ2世の死後、後継者の座を巡り、アラゴン家のアルフォンソ5世とアンジュー家のルネ・ダンジュー父子の間で内戦が勃発しました。ジョヴァンニ・アントニオはアルフォンソ5世を支持し、その功績からナポリ王国の大司馬とバーリ公爵領を授けられました。しかし、アルフォンソ5世の死後、私生児ドン・フェランテが王位を継承することに反対し、宮廷を離れてアンジュー家支持派のリーダーとなりました。その後、フェランテの妻イザベルが自身の姪であり相続人であったことから、フェランテと和解しました。

1463年、ジョヴァンニ・アントニオはアルタムラ城で、おそらくフェランテ王の刺客であったパオロ・トリカリコによって絞殺されました。彼の死後、遺産は最終的に姪を通じてナポリ王家（アラゴン家）に回収されました。

ジョヴァンニ・アントニオは、1417年に教皇マルティヌス5世の姪でアマルフィ公爵の娘であるアンナ・コロンナと結婚しましたが、子を授かることはありませんでした。しかし、多くの私生児が知られています。

カテリーナ：コンヴェルサーノ女伯となり、第7代アトリ公爵ジュリオ・アントニオ・アクアヴィーヴァと結婚しました。
マリーア・コンクエスタ：ウジェント女伯となり、初代ナルド公爵アンジルベルト・デル・バルツォと結婚しました。
マルゲリータ：カタンツァーノ伯アントニオ・チェンテレスと結婚しました。
フランチェスカ：サポナーラ伯ジャーコポ・サンセヴェリーノと結婚しました。
ベルトルド：サリーチェ男爵、レッチェ伯となりました。
名称不明の娘：ミレート伯ジャコモ・サンセヴェリーノと結婚しました。

ジョヴァンニ・アントニオ・オルシーニ・デル・バルツォは、その生涯を通じてナポリ王国の歴史に大きな影響を与え、その権勢と悲劇的な最期は多くの人々の記憶に残っています。彼の生涯は、当時の南イタリアの政治情勢と貴族社会の複雑さを映し出す鏡であると言えるでしょう。

参考文献:

Berloco, Tommaso (1985) (Italian). Storie inedite della città di Altamura*. ATA - Associazione Turistica Altamurana Pro Loco.

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