ジョージタウン (ペナン州)

マレーシア、ペナン島の歴史と文化が息づく街：ジョージタウン

ジョージタウンは、マレーシアのペナン州の州都であり、ペナン島市の中心地区です。ペナン島の北東部に位置し、かつては独立した自治体でしたが、1976年に島全体を市域とするペナン島市に合併されました。現在では、広域都市ペナン島市の行政の中心地として機能しています。

概要

ジョージタウン地区の人口は約15万人と非常に高い人口密度を誇ります。古くから交易の拠点として栄えた港町であり、その歴史的な街並みは2008年にユネスコの世界遺産に登録されました。地区内には100を超えるホテルが立地しており、ペナン島観光の拠点となっています。

歴史

1786年、イギリス東インド会社が交易拠点として入植し、港を整備しました。マラッカ、シンガポールと共に、イギリスによるマレー支配である海峡植民地の一つとなりました。地名は当時のイギリス国王ジョージ4世に因んでいます。1957年にはマレーシアで最初の市となりました。

住民構成

住民は華人（中国系）が多数を占め、古い街並みや文化が残っています。そこにマレー系、インド系が加わり、多民族が共存する都市を形成しています。

名所・旧跡・観光スポット

ジョージタウン旧市街は世界遺産に登録されており、イギリス、中国、マレー、インドなどの文化が混ざり合った独特の景観が見られます。港にはイギリス東インド会社が建設したコーンウォリス要塞が残っています。

町のランドマークである「コムター」は、地上65階建ての円筒形の複合ビルで、その形状から「コーンビル」とも呼ばれています。ホテル、レストラン、ショッピングセンター、バスターミナルなどが入っています。

町の中心部から車で40分ほどでビーチにアクセスでき、夜には屋台が立ち並び、中華、マレー、インドの食文化が楽しめます。

世界遺産

ジョージタウンは、ムラカ（マラッカ）とともに、2008年にユネスコの世界遺産に登録され、マレーシア初の文化遺産となりました。

登録基準

この世界遺産は、以下の登録基準を満たしています。

(2) ある期間を通じて、またはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
(3) 現存する、または消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積、または景観の優れた例。

主な観光スポット

カピタン・クリン・モスク: 1801年建造のモスク。
コーンウォリス要塞: イギリス東インド会社の提督フランシス・ライトが最初に上陸した場所に建てられた要塞。
セント・ジョージ教会: 東南アジア最古の英国国教会。1818年建築。
シティ・ホール: 東インド会社の拠点だった場所で、現在は市議会会場として使用。
ペナン・プラナカマンション: 19世紀に建てられたプラナカン様式の建造物。
クー・コンシ（邱公司）: 邱（クー）氏一族によって建てられた中国寺院。
極楽寺: 東南アジア最大の仏教寺院。中国式、タイ式、ビルマ式の三様式からなるパゴダがある。

姉妹都市

ジョージタウンは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

アデレード（オーストラリア）
廈門市（中国）
神奈川県（日本）
メダン（インドネシア）
台北市（中華民国）
バンコク（タイ王国）

参考文献

『地球の歩き方 D19 2020～2021年版』地球の歩き方編集室 編集、ダイヤモンド・ビッグ社、2019年11月。ISBN 978-4-478-82410-8。

関連項目

在ペナン日本国総領事館

ジョージタウンは、その歴史的な背景、多文化が織りなす独特の雰囲気、そして数多くの観光スポットにより、訪れる人々を魅了し続けています。

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