ジンバブエ国防軍

ジンバブエ国防軍（ZDF）

ジンバブエ国防軍（Zimbabwe Defence Forces, ZDF）は、ジンバブエの陸軍（ZNA）と空軍（AFZ）で構成される軍隊です。ジンバブエは内陸国であるため、海軍は存在しません。

概要

ジンバブエ国防軍の最高司令官は、フィリップ・バレリオ・シバンダ将軍です。兵力は陸軍が約29,000人、空軍が約4,000人と推定されています。ローデシア紛争（ブッシュ戦争）以降、ジンバブエ国防軍は主に非国家武装勢力の鎮圧に携わってきました。

独立後の1980年、当時のロバート・ムガベ首相は、以下の3つの軍隊の統合を最優先課題の一つとしました。

1. ローデシア軍：旧ローデシアの国軍。
2. ジンバブエ人民革命軍（ZIPRA）：ジンバブエ・アフリカ人民同盟（ZAPU）の武装部門。1979年時点で約20,000人の兵力を有していました。
3. ジンバブエ・アフリカ民族解放軍（ZANLA）：ジンバブエ・アフリカ民族同盟（ZANU）の武装部門。1979年時点で約25,500人の兵力を有していました。

イギリス軍の支援・訓練チームが、これらの軍隊の統合、ひいては新しいジンバブエ国防軍の創設を支援する上で重要な役割を果たしました。ローデシア空軍は、ジンバブエ空軍として再編成されました。

モザンビーク内戦への介入

モザンビーク内戦は、FRELIMO政府と反政府勢力RENAMOの間で繰り広げられました。RENAMOは、1970年代にローデシアの諜報機関から資金提供を受け、ジンバブエ独立後は南アフリカ共和国政府から、モザンビークとジンバブエを不安定化させるために資金提供を受けていました。

ジンバブエ国防軍は、ジンバブエの東部都市ムタレとモザンビークの港湾都市ベイラを結ぶ戦略的な鉄道路線を、RENAMOの襲撃から保護するために介入しました。これは、ローデシア紛争中にモザンビークに拠点を置いていたジンバブエの反政府勢力戦闘員を支援したFRELIMO政府への支援と見なされました。RENAMOの部隊は、モザンビークからジンバブエへの越境攻撃を繰り返し、国境沿いの商店を襲撃したり、製材工場を焼き払ったりしました。

モザンビーク当局との数回の会合を経て、ジンバブエ国防軍は、ジンバブエを攻撃した可能性のあるRENAMO部隊をモザンビーク領内まで「熱追跡」することが許可されました。この口実の下、ジンバブエ国防軍は追跡作戦を計画し、モザンビーク領内深く侵攻、ゴロンゴサにあったRENAMOの旧基地を占領しました。

ジンバブエ軍をRENAMOとの戦闘に派遣するという決定は、ローデシアとの戦いにおけるFRELIMOのZANUに対する支援にまで遡る、モザンビーク政府とのジンバブエの緊密な関係に影響を受けています。また、FRELIMOとZANUが科学的社会主義という共通のマルクス主義イデオロギーを共有していたという事実も重要でした。

南アフリカが支援するRENAMOは、アンゴラのマルクス主義MPLA政府と戦っていたジョナス・サヴィンビのUNITA運動と同様に、反共産主義運動を標榜していました。ソビエト連邦がこれらの政府を支援していたため、マプト（モザンビーク）、ハラレ（ジンバブエ）、ルアンダ（アンゴラ）を結ぶイデオロギー的な連携が存在しました。

参考文献

Abiodun Alao, 'The Metamorphosis of the Unorthodox: The Integration and Development of the Zimbabwe National Army' (chapter in book compiled by Terence Ranger, 'Soldiers in Zimbabwe's Liberation War'), 1995
Norma J. Kriger, ‘Guerrilla Veterans in Post-war Zimbabwe: Symbolic and Violent Politics,’ 1980–1987, Cambridge UP, 2003
Ministry of Defence - H/Q (2011年). “The Zimbabwe Defence Forces: Resolute in defence of national gains, peace and security”. Ministry of Defence.

外部リンク

ジンバブエ国防省のURL'>Zimbabwe Ministry of Defence

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