スイス社会民主党

スイス社会民主党（Sozialdemokratische Partei der Schweiz）

スイス社会民主党は、1888年10月21日に設立された、スイスの中道左派・左翼政党です。ドイツ語ではSozialdemokratische Partei der Schweiz、フランス語ではParti socialiste suisse、イタリア語ではPartito Socialista Svizzero、ロマンシュ語ではPartida Socialdemocrata de la Svizraと表記されます。

現在、スイス国内の主要4政党の一つであり、スイス国民党に次ぐ規模を誇ります。欧州連合（EU）への加盟に最も積極的な政党としても知られていますが、国民投票での批准に必要な票数を獲得するには至っていません。党名は、フランス語とイタリア語では「スイス社会党」となります。

綱領

スイス社会民主党は、伝統的な社会民主主義の立場を明確にしています。具体的には、大きな政府、地球温暖化対策を含む環境政策、外国人移民の受け入れ、平和主義に基づく国防の推進などを綱領に掲げています。

経済政策

富裕層への減税には反対し、税率の調和を通じて富の再分配を目指しています。民営化や公営企業に対しては懐疑的な立場を取りつつも、農業や並行輸入の分野においては競争を促進する方針を採っています。

社会政策

社会的平等と開かれた社会の実現を重視し、託児所の増設や非常勤雇用の促進を通じて女性の社会進出を支援しています。また、性差に基づく賃金差別を解消し、性的平等の強化を目指しています。外国人の受け入れに関しては、入国直後の移民手続きを維持する方針です。薬物政策においては、ヘロインや大麻などの規制薬物に対して寛容な姿勢を示す一方で、レストランやバーでの禁煙を推進しています。

外交・軍事政策

当面はEUへの加盟を支持し、平和や人権の分野で国際的な役割を果たすことを目指しています。しかし、軍事面では中立性を維持する観点から、北大西洋条約機構（NATO）への加盟は見送っています。平和主義的な立場は軍事政策にも反映されており、スイス軍の削減や徴兵制の廃止を提唱しています。

環境政策

環境税の改正、再生可能エネルギーへの政府支援など、スイス緑の党と共通する政策を多く持っています。自動車から鉄道への輸送手段の転換を推進し、道路の新設には反対する一方で、公共交通網の拡大を支持しています。また、核エネルギーの利用には反対の立場を取っています。

連邦参事会議員

慣例により、スイス社会民主党は2名の連邦参事会議員を輩出しています。これは「マジック・フォーミュラー」と呼ばれる、主要政党の代表をバランス良く連邦参事会に含める制度に基づいています。2024年現在、エリーザベト・ボーム＝シュナイダーとベアト・ヤンスが党所属の連邦参事会議員を務めています。

党勢

2014年時点での党員数は約33,000人です。

2011年連邦議会選挙: 国民議会で3議席増の46議席を獲得（得票率18.7%）。全州議会では2議席増の11議席。
2015年連邦議会選挙: 国民議会で43議席を獲得（得票率18.8%）。全州議会では12議席。
* 2019年連邦議会選挙: 国民議会で4議席減の39議席（得票率16.8%）。全州議会では3議席減の9議席。

スイス社会民主党は、スイスの政治において重要な役割を果たしており、その政策や動向は常に注目されています。

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